みなさんこんにちは。
ラン歴9年サブ3.5ランナー(3:26:15)のみつ(@hiroki.mitsunaga)が2022/7/2に開催された【美ヶ原トレイルラン85km】に初挑戦してきました。
制限時間は16時間。
完走できるレベルがどのくらいか気になる方はとても参考になると思います。
美ヶ原トレイルラン2022に参加した時のレース動画になります【Instagramリール1分】
結果
結果報告になります。
DNF。完走できず。
第2関門の山本小屋(38km地点)で制限時間から45分のタイムオーバーでした。
30km地点で関門時間に間に合わない事を自覚。
そこからは美ヶ原の絶景を眺めながら大会を楽しみました。
正直第2関門でDNFすると思っていなかったのでこの大会の恐ろしさを今回知ることになりました。
完走率&当日の天気

85km(ロング)の完走率はなんと19.5%でした。信じられないくらい低かったです。
いままで出た大会を振り返ってもここまで完走率が低いのは初めてでした。
暑さと関門の制限時間がかなり厳しい設定になっているのが原因だと思います。
天気は快晴。日中気温がぐんぐん上がり近隣の長野県上田市の最高気温は38.3℃。標高1300~2000mでも滝汗でした。
稜線沿いは日陰が一切なく強烈な太陽の光を浴び続けたせいもあり体力を奪われました。
大会開催日の気温が高い時は首が隠れる日よけの帽子やサングラスなど暑さ対策は必須だと思います。
水分も1ℓでは足りませんでした。1.5ℓは必要かと思います。
私は大丈夫だったのですが後方の選手はエイドで補給する水がなくなるという事件があったようです。

猛暑で予想以上の水が必要だったのもありますが水を補給することができなかったら怖くて間違いなく先に進むことはできないです。
倒れる危険性大です。
暑い日のトレイルは特に気を付けないと大事故につながりかねないと改めて思いました。
コース

美ヶ原トレイルランは3つの部門があります。
- 85km(制限時間16時間)
- 50km(制限時間12時間)
- 15km(制限時間4時間)
会場は長野県長和町にあるブランシュたかやまスキーリゾート。
開催時期が梅雨シーズン(7月初旬)なので例年雨が多いみたいですが今年は晴れたため美ヶ原の絶景や雪をかぶった北アルプスの姿を楽しむことが出来ました。
最高の景色を望めて本当にラッキーでした。
完走できる目安基準

今回完走していないのであくまでも想像になります。すみません。
2022年に出場した大会で難易度を比較してみました。あくまで私個人の判断基準になります。
完走レベルは1が優しい、10が難しい。
距離 | 累積標高 | 制限時間 | 完走レベル | |
美ヶ原トレイルラン | 85km | 4200m | 16時間 | 10 |
奥信濃100 | 100km | 4800m | 21時間 | 8 |
白馬国際クラシック | 50km | 2300m | 10時間 | 7 |
奥三河パワートレイル | 70km | 4000m | 13時間30分 | 7 |
野辺山ウルトラマラソン | 100km | 2300m | 14時間 | 6 |
osj新城 | 32km | 2750m | 10時間 | 3 |
参考までに:私は2022/6/11に開催された奥信濃100(100km)をぎりぎりですが完走しております。
【奥信濃100】トレラン累積標高4800mの激闘はこちら>>
完走率は19.5%。
こんなに低い大会は私が参加したことある大会では初めてでした。
猛暑だった条件ではありましたがおそらくフルマラソンサブ3くらいの走力が必要になるんじゃないかと思います。
そして暑さに強くトレイルの経験を積んでいること。
関門の制限時間は私がいままで出場してきた大会の中でも一番厳しい設定だったのでレース中のスピードも必要になってきます。
常に関門時間に追われながらの展開になります。

DNFの為回収バスを待っている時にいろいろな方と話をしていたのですがランナー人生初めて回収されたと言っている方がけっこういました。
そのランナーさんというのはUTMFや彩の国、信越五岳や上州武尊山、ハセツネなど過酷なトレイルレースを完走されたことのある方になります。
美ヶ原という名前にだまされてはいけません。
優しそうなイメージを持ちますが美ヶ原トレイルランは相当厳しい大会になります。
恐ろしヶ原トレイルです、笑。

前日受付&参加賞

85km(ロング)は前日受付(15:00~19:00)のみになります。
受付場所はブランシュたかやまスキーリゾート。
ココヘリ(遭難した時に発見するもの)が必須になります。名前は知っていましたがココヘリを今回初めて拝見しました。
参加賞はTシャツになります。ロゴマークがいい感じです。


宿泊ペンション

美ヶ原トレイルランの大会から宿泊を申し込みました。
自動的に振り分けられるためどこの宿になるかは分かりません。
ただ会場から近くアクセスがいいのでおすすめです。私は『スノーラクーン』というペンションにお世話になりました。
会場から車で約10分。ペンションを営んでいるご夫婦はとても素敵な方でお料理もおいしく大満足。
朝ごはんではまさかのオムライスが、贅沢すぎました。
宿泊客はランナーばかりでしたので食事中は大会の話で盛り上がりました。


会場到着(スタート前)

85km(ロング)のスタートは早朝4:00。
辺りはまだ真っ暗です。
スタート前は大会中かなり暑くなるので熱中症には気を付けてくださいと繰り返しアナウンスしていました。
時には辞める勇気も持ってくださいと。
この時は大丈夫だろうと思っていましたが実際倒れてもおかしくないくらいの暑さだったのでレース中このまま続けていいのかの判断はけっこう悩みました。



スタート

85kmの部、早朝4:00。
441名のランナーでスタートしました。
いきなりスキー場のゲレンデを約500mひたすら登っていきます。
体がまだ慣れていなかったのでウォーミングアップのつもりで進みました。
トレイルあるあるですがスタート直後どのくらいのペースで進んで行けばいいか毎回迷います。
アドレナリンがでているので速くなりがちですが私は呼吸が上がらないペースを心掛けています。
途中後ろを振り返るとうっすら夜が明けてきていました。

当たり前ですがゲレンデを登っていくので初めから息があがりなかなか足にこたえます。
標高も高いので空気もうすいはずです。
大笹峰の頂上ではちょうど朝日が顔をだしてくれました。
太陽の光をいっぱい浴びて気持ちよかったです。


7.5km地点のウォーターステーションで水を補給します。
この時はそこまで暑さも気にならなかったです(5:15)。
その後殿城山の頂上を目指します。


杉林を抜けると日陰とはおさらば。ここからは太陽をさえぎるものが何もなくなるので暑さとの戦いです。
ロングトレイルではいつもポールに助けられています。
先月出場した奥信濃100のトレイルレースではポールがなかったら間違いなく完走できませんでした。
【ポール一つで運命が変わるなんて】
私はこの大会のスポンサーであるSINANOのトレランポールを使用しています。
軽くてコンパクトに収納できるのでとても気に入ってます。
※参考までに トレランポールには適切な長さがあります。
目安はだいたい身長の66~68%になります。
私が使っているポールの長さは110㎝なので163㎝~168㎝くらいの方が対象になります。
※SINANOは人気があるため品切れになることがあります。
Amazon SINANOトレランポール110を見てみる>> (163cm~168cm)
Amazon SINANOトレランポール105を見てみる>> (155cm~160cm)

ここからは稜線沿いを進んでいきます。前方には雪をかぶった北アルプスの山々を見ることができます。
そして広大な緑の大地が一面に広がっています。景色が最高にいいのでテンションがあがります。
ラン友さんにも会えてさぁー行くぞと気合いが入りました。



現在6時25分。
まだ朝なのにすでに暑かった。
この先さらに暑くなるのが分かっていたので大丈夫か心配でした。
このエリアは中央分水嶺トレイルというコースで贅沢すぎるトレランコースでした。
その後山を下り一度車道にでます。


A1 和田峠 (22km地点)

第一エイド到着。ミニトマト、バナナ、キャラメル、塩飴、コーラ。
この時点で8時15分。スタートから4時間15分経過。
まだ朝なのに暑さにやられて汗も相当かいていました。昼過ぎでもいいくらいな感じ。
かぶり水は絶対必要レベル。頭から3杯かけてリフレッシュできました。
正直日陰で休みたかったけど日陰がどこにもない。
まだ22kmだったけどかなり疲れていました。

ここから三峰山を目指して登っていきます。
景色は最高。北アルプス槍の穂先もしっかり見えました。
しかしとにかく暑くずっと直射日光直撃。(暑い暑いしか言ってません、、、。)
スタミナを奪われました。暑さ対策は必要になります。
三峰山頂上は1887mでしたが全く涼しくなかった。


再び車道にでてその先にはやっと第1関門があります。第一関門までが本当に長く感じた。
途中まではどれくらいの時間貯金ができるのかと思っていたけど暑さにやられ失速していたのでそもそも関門に間に合うのか心配になっていました。

扉峠 第1関門(28.5km地点)
第1関門に着いたのが制限時間15分前。ぎりぎりです。
けっして今まで出場した大会と比べるとそこまで遅くないつもりでした。
自分の中では1時間くらいは貯金があると思っていたから愕然とした。まじかと。
その時に初めてこの大会は時間設定が厳しいと知りました。

ここから次の関門を通過するには相当スピードをあげないと無理だなと思った。
すぐに出発したかったけどすでにヘトヘトだったのでとりあえず日陰に座って持って行ったパワーフードのランチパックを食べて休憩した。(この時若干軽く熱中症だったのかもしれない)
関門を出たのが時間ギリギリ。
先のことは考えず次の関門を突破することだけ考えて頑張ろうと思った。


茶臼山 2006m(31km地点)

第1関門から茶臼山までの300m登りはかなり急登だった。
地図の高低図で見るより距離も傾斜もきつかったです。
茶臼山までの登りはなかなかの強敵と覚えておいた方が良いです。
想像以上のきつさだったので見事にへたれました。
関門突破の為スピードをあげようと思っても登りが苦手なうえさらに気温上昇。全くスピードがあがらず。
時間との戦いでもあったのでしんどかったな。
頂上からは夏を感じる絶景が広がっていました。

そこからガレ場に変わり足元が悪くてなかなか走れない。
50kmと85kmの分岐では50kmの方に行きたかった。(昔飛騨高山ウルトラマラソンに参加した71kmと100kmの分岐の時と同じ気持ちになりました。)
何としても第2関門で終わるわけにはいかないと頑張りましたがこの時点で完走はおろか、次の関門通過も絶望的になっていました。
全体のまだ半分もきていないのに、、。
何がいけなかったのか?考えてみたが暑さにやられたしか頭に浮かんでこない。
ぽっきり心が折れました。
でもせっかく美ヶ原にきているのだから絶景の景色を楽しもうと気持ちを切り替えて進みました。



トレランで牧場の横を通るのは初めての経験。
途中牛に「この大会きつすぎるよ」って愚痴を聞いてもらっていました。
目の前に続く長い一本道。ここを気持ちよく走ったら気持ちいいだろうなと思いながらとにかく歩く。
美しの塔エリアは日本じゃないみたいで改めてすごいコースだなと思った。



A2 山本小屋 第2関門(38km地点)

ようやく着いた第2関門、山本小屋。現在12:47。関門時間が12:00だった。
関門時間が私には厳しすぎました。
でもエイド辺りには地面に座っているランナーであふれかえっていた。異様な光景でした。
他の人たちも関門通過できなかったのです。その後続々とランナーが増えていきます。


回収バス待ちの人であふれかえっていました。
おそらく予想以上に多くのリタイアが出たためバスがまったく迎えにこない。
なんの説明もないのでこの先どれだけ待つことになるのか不安しかなかった。
運営スタッフさん達はパニック状態でした。
実際バスに乗るまでに1時間以上待ったかな。
この時曇っていたからよかったが晴れていたら熱中症続出の恐れもあったと思う。
回収バスに乗り今までの時間を振り返っていました。
関門時間があまりにも厳しかったので悔しいという気持ちよりこの大会は恐ろしい、そんな思いでした。

ゴール会場

ゴール会場に戻ってきました。
ここも異様な雰囲気で完走していないランナーが椅子に座って雑談していました。
おそらくほとんどのランナーがこんな早い時間(14:40)にリタイアするとは思っていなかったはずです。
自分も予定では夜の8時頃まで走っているイメージでしたから。
無料豚汁サービスがあったのでいただきました。疲れた体にはしみますね、美味しかったです。
最後は同じDNFの皆さんといろいろ話していました。これはこれで貴重な時間だったので違う意味楽しかったです。


美ヶ原トレイルランを完走するつもりで挑みましたが正直全く歯が立ちませんでした。
完走する為にはトレイル中の登り下りともスピードアップ、圧倒的スタミナアップ、テクニックや補給全てが必要だと思いました。
この大会に参加したことでこれからの練習をまた新たに鍛えていきたい気持ちになりました。
挫折経験が人を強くしてくれると信じて楽しむ気持ちは忘れずに今後も挑戦していきたいと思います。

まとめ
美ヶ原トレイルラン。
想像以上に完走が厳しい大会でした。猛暑のせいもあったけどとにかく制限時間が短い設定になっています。
イメージですが完走するには第1関門、第2関門ともに制限時間の1時間前には出発しないと厳しいんじゃないかと思います。
後半おそらく失速すると思うので。
私レベルだと全く貯金が作れません。常に時間に追われるレースになります。
ゆっくり長く走れる人でもこの大会ではある程度の速いスピードで走り続ける力が必要です。
今後リベンジします!と素直に思えないくらいレベルの高い大会でした。
完走した約2割の人は同じ人間とは思えない次元です。神レベルです。
コースは絶景で本当に素晴らしかった。いままでトレランでこのような景色の中を走ったことがなかったのでとにかく気持ちよかったです。
知らない世界をまたひとつ知ることが出来ました。
美ヶ原トレイルランを完走できる日が来るかは分かりませんがランナー人生大きな経験になったことは間違いないです。
この悔しい経験をバネに今後さらに自分自身進化できるように頑張っていこうと思いました。
失敗があるからまた新たに挑戦しようと思えますもんね。
次に向かって頑張っていきます!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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