みなさんこんにちは。
ラン歴11年サブ3.5ランナー(3:17:58)のみつ(@hiroki.mitsunaga)が2024/6/9に開催された飛騨高山ウルトラマラソンに参加してきました。
高山ウルトラは7年前に初ウルトラで71km、6年前に初100km走って以来の参戦になります。
古い町並み、田植え後の田んぼ、のどかな風景、地元の温かい応援、飛騨牛、千光寺の坂など。
変化に富んでいるコースなので飽きがなく走りごたえがあります。
今回はエイドや出会いを楽しみながら走りたい気持ちとサブ10に挑戦してみたい気持ちと。
いざスタートラインに立ってみるとやはり挑戦したい気持ちが。
行けるとこまでいってみようとサブ10を少しだけ意識して走りました。
レース内容をすぐに読みたい方は
「7.スタート」からご覧ください。
長文になりますが最後までお付き合いいただけたらうれしいです。
【飛騨高山ウルトラマラソン2024】千光寺の坂(Instagramリール)
【飛騨高山ウルトラマラソン2024】千光寺(Instagramリール)
【飛騨高山ウルトラマラソン2024】57.2km丹生川支所エイド(Instagramリール)
【飛騨高山ウルトラマラソン2024】100kmの旅【完全版】(Instagramリール)
この記事を執筆している筆者の簡単なプロフィールになります。
現在の目標はマラソンサブ3。
アシックス大好きランナーでもあります。
- 34歳(はじめは10km走れない状態)からランニングを始め現在45歳
- 初フルマラソン5:35:29(2015) 名古屋アドベンチャーマラソン
- フルマラソン3:17:58(2024) 姫路城マラソン
- ハーフマラソン1:29:29(2022)ぎふ清流ハーフマラソン
- 10km39:27(2023) 刈谷市かきつばたマラソン
- 100kmトレイルランニング完走19:42:17(2023)奥信濃100
- 100kmウルトラマラソン完走12:50:47(2023)野辺山
- 118kmウルトラマラソン完走14:32:45(2023)チャレンジ富士五湖
- 100マイルトレイルランニング完走44:15:44(2024) Mt.FUJI100
結果
飛騨高山ウルトラマラソン2024の結果になります。
記録:11:41:38(ネット) 制限時間14時間
今年の天候は曇りで暑くない(最高気温23℃)
タイムを狙うには絶好のコンディションでした。
はじめはサブ10を意識して走るも40km過ぎで厳しいと痛感。
高山でサブ10はキツイと思った。
その後は出来る限りのベストを尽くしてエイドと出会いは大切に。
6年ぶりの高山を楽しんで走ってきました。
完走できる目安基準
飛騨高山ウルトラマラソンを完走できる目安を私が今まで参加した大会と比較してみました。
年により気象条件が違うのはお許しください。
今後ウルトラマラソンに挑戦しようと思う方、他のウルトラマラソンに出てみたい方、トレランに興味がある方には参考になると思います。
※あくまで私個人の感想になります。
(1が優しい、12が厳しい)
大会名 | 難易度 | 特徴 |
Mt.FUJI100 166km | 12 | 累積標高7039m |
奥信濃100 100km | 9 | 制限時間が厳しい(21時間) |
ONTAKE100 | 8 | ずっと林道で暑い |
野辺山ウルトラマラソン100km | 8 | 激坂と日中の暑さ |
富士五湖ウルトラマラソン118km | 8 | 基本平坦で走りやすい |
飛騨高山ウルトラマラソン100km | 6 | 坂が多い |
丹後ウルトラマラソン100km | 6 | とにかく暑すぎる |
OSJ新城トレイル32km | 4 | アップダウンが厳しい |
高山ウルトラは6月開催なので暑くならないことを願いたい。
総獲得標高は100km→2529m、71km→1829m。
坂が多いのでなかなかキツイです。
練習では○○峠と言われる場所で峠練を一度は取り入れたいかも。
フルマラソンのタイムが4時間くらいのランナーで100km完走できるかギリギリラインだと思います。
こちらは飛騨高山ウルトラマラソン2024の完走率になります↓
参考記事↓(みつがnoteで作成した記事になります)
ウルトラマラソン/富士五湖、飛騨高山、野辺山、丹後の難易度を比べてみました
コースマップ
高山のコースは坂がきつい。
60kmから始まる千光寺の坂は激坂。
走るのはかなり厳しいです。
【ワンポイント】
100kmに初めて挑戦される方へ
・千光寺の坂が終わっても安心は禁物、70~80の直線平坦ロード、85~90の坂も強敵です。
初めてウルトラマラソンに参加される方で優しいコース希望であれば富士五湖ウルトラが一番おすすめ。
前日移動
※ゼッケン、ICチップ、参加賞(Tシャツ)は前もって郵送されるので前日受付はなしです。
自宅から高山までは車で約3時間。
ウルトラマラソンはスタート時間が早いのでできるなら前泊したいです。
12:30
高山に到着。
古い町並みを散歩していたらたくさんのラン友さんに会えました。
高山でこうやって会えるのはうれしいかぎり。
カフェしてだんご食べて夜ごはんは焼きそばで有名なちとせさんへ。
せっかくだから生ビールと中華そばも注文。
焼きそばは一人前なのにすごいボリューム(要注意)
お腹はちきれるかと思った、笑。
なおさんお付き合いありがとう。
翌日の朝ごはん用に焼きそばをテイクアウトしました。
当日の朝
昨夜は20時に布団の中に入るもなかなか寝付けず。
1:48
起床。
ウルトラの朝は早い。
前日に買っておいたおにぎりとテイクアウトしたちとせの焼きそばをいただく。
焼きそばは冷めてても油少なめなので食べやすいです。
天気予報は曇りだったけどトップアスリートの日焼け止めをしっかり塗って日焼けに備える。
2:45
ホテルを出発。
大会駐車場(崇教真光匠ヶ丘)までは車で10分。
3:00に到着予定だったけど駐車場手前で渋滞発生。
予定より25分遅れだいぶ焦った。
3:25
駐車場に到着。
そこからは大会バスに乗り込み会場の飛騨高山ビッグアリーナへ(15分)
スタート前
会場に到着するといきなり会えました。
前日奥信濃100を走ってそのままウルトラを走る鉄人のお二人。
すごすぎます。
スタート前は集まる約束をしていたので集合場所へ。
知っている顔を見るとやっぱり落ち着く。
少し雑談してお互いがんばろうとエールを交換する。
その後は手荷物を体育館に預けスタート場所へ移動。
100km第1ウェーブスタートは4:30。
私は第2ウェーブスタート(4:50)だったのでまずは応援に。
ここでもたくさんの知り合いに会うことができて気持ちが上がってくる。
第1ウェーブの人達を見送りスタート地点に整列した。
フルマラソンとは違いとても落ち着いている。
今回はエイドや出会いを楽しみつつサブ10にも挑戦したい、そんな気持ちだった。
高山はコースがきついので絶対にサブ10狙いというよりは行けるとこまでいってみて自分の力がどこまで通用するのか試してみたかった。
スタート~第1関門(道の駅ひだ朝日村)
高山市長の挨拶が終わり、スタート1分前。
風はなし、とても涼しくて快適な気温。
まさにウルトラ日和だった。
7年前、6年前にも走ったがコースの記憶がだいぶなくなっていたのでワクワクな気持ち。
高山の景色を楽しもうと思った。
4:50
100km第2ウェーブがスタートした。
はじめは高山市街地を走っていきます。
1km過ぎでまつもとさんを発見。
少し会話しながら走ったのでリラックスできた。
知らない土地に来ると道路標識を見るのが好きな私。
その土地の名前を見てると旅行気分が増していきます。
車だと一瞬で通り過ぎてしまう景色も走っているといろんな発見がある。
そこはウルトラマラソンのおもしろさだと思う。
商店街ではまだ朝5時過ぎなのにたくさんの人が応援してくれます。
本当にありがたい。
高山の応援はとても温かい気持ちになれます。
スタートして3km。
古い町並みエリアへ。
黒塗りの木造。
細い路地。
高山を一番感じられる場所。
普段は観光客で賑わっているけどまだ朝早いのでランナー天国。
ここを走れるのは本当に贅沢です。
5.9km
最初のエイドはスルー。
ここまでのペースはだいたい5:15~5:30。
これが速いのか遅いのか、いまいち分からないので少し抑えて走った。
7km
高山市街地を抜けるとここからは田んぼエリアを走っていきます。
自然が豊かでのどかな風景。
走っていて気持ちいい。
10km
5:45(スタートから55分)
まずまずのペースかな、ウォーミングアップ終了。
だいぶ体も温まってきた。
10.5km
エイドに寄って梅干しをひとつ食べてすぐに出発。
ウルトラはだいたい5kmに一回エイドがあるので安心です。
14kmからは山の峠道、激坂が始まります。
徐々に傾斜がきつくなるので息が上がらないペースを意識して。
しばらくするとご近所さんのかめさんに遭遇。
「けっこう速いねー、いいペースだよ」と声をかけてくれた。
「ありがとうございます!お互い完走しましょう」と声を掛け合った。
16.7km
美女高原エイドに到着。
水を補給してバナナを食べてすぐに出る。
エイドは坂の頂上にあるのでここからは下りに入る。
もう少し飛ばしたい気持ちはあったがまだ前半戦。
ダメージが残らない着地を意識して。
実際には難しいが豆腐を柔らかく踏みつけるイメージで。
20km
6:43(スタートから1時間53分)
まだサブ10圏内。
ただこの時点でもう少しペースを上げないとサブ10は難しいと感じる。
なんとなく想像はついていた。
やはり高山はきつい。
ここから第1関門までは自分のリズムでたんたんと走る(ペースは5:45)
まだ諦めてはいないが正直厳しいと思った。
26.6km
7:23
第1関門道の駅ひだ朝日村に到着。
関門時刻は8:50なので1時間27分の貯金になる。
おにぎりとよもぎうどんをいただく。
よもぎうどんがうまい!
硬さ、のどごしが最高。
もう一杯おかわりした。
するとラン友さんを発見。
少し会話して元気をもらい再び走り出した。
第1関門(道の駅ひだ朝日村)~第2関門(岩滝公民館)
第1関門(道の駅ひだ朝日村)を後にすると再びのどかな景色を走っていく。
ん?
前方にはひと際目立つ場所にバスが一台止まっていた。
実際に動いているのかな。
トトロに出てくるネコバスみたい。
よく見ると窓には「日本で3番目に古いバス」と張り紙がしてあった。
34km(標高600m)
ここから長い激坂が始まる。
コース最高地点の1010mまで400mひたすら上りっぱなし。
かなりきついです。
歩幅を小さくしてリズムは変えずに(ペースは7分前後)
頂上まではまだまだ長い、心を無にしながら走っていく。
エイドの手前でけいこさん、なおさんが応援してくれた。
かなり苦しい坂だったから元気をもらう。
35.6km
緑に囲まれた走り乃神社エイドに到着。
湘南ゴールドエナジーだ。
ちょうど炭酸をごくごく飲みたい気分だったのでドンピシャだった。
そのあとに飛騨リンゴ100%のりんごジュースもいただく。
あーうまい。
体も心も生き返った。
この先40kmまでがきついです。
じわじわ坂を上っていく。
ウルトラに向けて練習した二ノ瀬峠の光景が頭に浮かんできた。
こんな感じの坂だったなー。
坂をイメージする練習だったがそれ以上にみんなで走ったことがレースでは力になるのだ。
仲間の力は大きい。
きつい時にこうやって背中を押してくれる。
実際はひとりで走っているのだがみんなで走っているようだった。
そろそろかな⁈
この辺でみかさんエイドがあるはずなんだけど、と思いながら走っていくがなかなか現れない。
40km
8:56(スタートから4時間6分)
4時間超えてるじゃん。
チーーーン。
この時点でサブ10は厳しくなった。
まだ千光寺の坂も残ってるし、、、。
サブ10を狙うなら前半もっと速いペースで走らないといけないことが分かった。
おそるべし高山。
40kmを通過して2分後、緑の看板を発見!
「コース最高地点 標高1010m」
普段はこんな峠道走らないので苦しいんだけど楽しい。
こういう非日常はやっぱり最高です。
さぁ、ここからは下り。
約5km、上りより下りの方が要注意。
簡単に走れちゃうのでどこまで突っ込んでいいのやら?
本当に難しい。
自分の経験を頼りにペースを決めるのだがここの判断を誤ると後半地獄を見る。
まだこの先60kmもあるから。
ダメージが残らないスピードで。
自分を信じて走った。
42.195km
フルマラソンを完走したとするとタイムは4時間19分になる。
前半もうちょっと突っ込んでもよかったかな?
でもこのタイムだから最後まで走り切れたのかな?
答えは分からないがあれこれ思う。
まだ100kmの半分も来ていない。
適正ペースが難しいんです。
45.5km
9:29
第2関門岩滝公民館に到着。
パンとバナナを食べてすぐにエイドを出発した。
第2関門(岩滝公民館)~第3関門(丹生川支所)
エイドを出発して6分後、ついに私設エイドが現れた。
みかさんエイドだ。
ここにいたのね、いないかと思ったよ笑。
手作りお赤飯をいただく。
うまい。
こういう差し入れは嬉しすぎる。
ご馳走様でした。
ピンクヘアーが目立っている。
安原さんだとすぐに分かった。
走れコラ~の文字、最高でした。
頭にタオルがトレードマークのてるっちさん。
去年一緒に富士五湖ウルトラに参加した戦友。
ランナーのさとちゃん、まみさんも同じタイミングで合流してにぎやかになってきた。
知ってる人がたくさんいて楽しかったし元気になれた。
応援の力はありがたい。
また頑張ろう、そう思った。
100kmは長いからこうやってたまに息を抜かないと。
最後まで頑張り続けるのはしんどいから一度気持ちをリセットした。
ロングレースは自分の心とうまく付き合わないと途中でつぶれてしまう。
調子いい時もあればそうでない時もある。
いろいろな状況が訪れる中バランスを保ちながら常に自分と戦っている。
ウルトラは自分を見つめ直す時間でもあるのだ。
さらに進むと今度はじゅんさん、えっちゃん、しろこさんエイドに遭遇。
ここは高山なのに愛知のラン友さんだらけ。
本当にありがたい。
走ることでこうやって人と人が繋がっていけるのは幸せなこと。
少し話して元気を分けてもらう。
みなさんの笑顔を見てさらに頑張ろうと思った。
53.4km
ようやく半分を超えた。
体はそこそこ疲れているが50kmくらいまでは案外走れてしまうもの。
ただ後半からが本当の勝負でもある。
ここまでの疲労×2ではないのだ。
前半の3~5倍の試練が降りかかってくる。
走力はもちろん大切だけど、どこかで弱い自分が姿を現す。
その時にどうやって苦しみと向き合えるか。
逃げないでその課題に立ち向かえるか。
速いとか遅いとかではない。
歩いても全然構わない。
目の前の壁をいかにして乗り越えるか。
ここにウルトラのおもしろさがあると思う。
緩やかに下っていくと60km地点。
そこは運命の分かれ道でもある71kmと100kmの分岐点。
100kmの人は右へ曲がり千光寺の激坂ルートに入っていく。
高山一の修羅場に備え気持ちを整える。
トンネルに向かう途中、再びなおさん達を発見。
どうぞとお菓子の箱を差し出してくれたのに、、、。
ガシャーーーン。
ぶちまけてしまってごめんなさい。
55km
丹生川トンネルの中へ。
トンネルと言えば、、、。
みえ松阪マラソンのプロジェクションマッピングやけん玉ランナーさんのフォッ!を思い出す。
やる時とやらない時があるけど今回は久しぶりにフォッ!をやってしまった。
あれをやるとけっこうスッキリするし気持ちが上がる⤴。
57km
マイクでしゃべる声が聞こえてくる。
ブラスバンドの生演奏も聞こえてくる。
にぎやかな雰囲気が遠くからでも伝わってきた。
このエイドには飛騨牛がある。
ひ、だ、ぎゅう、ひ、だ、ぎゅう。
同じ言葉を連呼していた。
豪華エイドがおいでおいでと呼んでいる。
丹生川支所に入る手前ではあやのさん、さかみさん、かずしさん達の姿が。
「おつかれさまー」
少し喋っていると「食べる?」と一言。
持ってきてくれたのは手作りの卵焼きだった。
フワフワでうまい。
こういうのはうれしいよ。
ありがとう!
57.2km
10:54
第3関門丹生川支所に到着。
そこは楽しい雰囲気で溢れていた。
もはやお祭りだ。
おもてなし給食が豪華すぎる。
飛騨牛、トマトそうめん、しそサイダー、みたらし団子など。
食欲をそそるものばかり。
もはやコース料理じゃん。
食前酒はしそサイダー。
冷前菜はトマトそうめん。
温前菜はみたらし団子。
メインは飛騨牛ステーキ。
デザートにはフルーツや洋菓子付き。
たまらん。
このエイドだけは楽しまないともったいない。
全てのメニューをいただいた。
エイドを出ようとしたら地元の小学生やゆるキャラのすくなっツーが応援してくれる。
そしてよりちゃんやすがわらさんにも会えた。
ここは高山なのにラン友さんばかり。
本当にうれしい。
改めてランニングに出会えてよかったと思った。
第3関門(丹生川支所)~第4関門(国府B&G海洋センター)
57.2km
11:00
第3エイドを出発。
60kmを超えると最大の難所「千光寺の坂」に突入する。
71kmの人は左、100kmの人は右。
約2km。
ここから試練の時間が始まります。
前を見ても後ろを見てもみんな歩いている。
私レベルだとほぼ全歩き。
走ろうという気持ちに全くなれない。
「あれっ、こんなにきつかったっけ」
6年前を振り返る。
きつかったのは覚えているが実際に歩いてみると想像以上だった。
とにかく止まらない。
足を一歩一歩動かす。
仮に千光寺まで走り切ってもそのあとがきっともたない。
サブ10を狙う人達はこの坂を走り倒すか歩いて走ってを繰り返す感じなんだろうな。
まだまだサブ10は遠いと思った。
上り始めて20分、赤い建物が見えてきた。
千光寺の極楽門に到着。
タイミングがよければ門の下で演奏してくれるのだが今回はちょうど終わったばかりだった。
残念。
門の天井には素敵な絵が描かれているのでぜひ見てくださいね。
この先は煩悩の数にちなんで108の石段を登っていきます。
走れないことはないけど後のことを考えて歩くことを選択。
頂上ではお坊さんが鐘を鳴らして歓迎してくれるので頑張れます。
登ったあとは再び下っていく。
ここも飛ばし過ぎには気を付けて足のダメージを最小限に。
65.8km
エイドに到着。
ここで飲んだ麦茶が冷えていて最高に美味しかった。
69.2km
12:31
宮地公民館エイドに。
暑くなってきたのでバケツに入っているかぶり水を頭からかける。
あー気持ちいい、生き返る。
腕、首、最後にもう一回頭から。
これから暑くなる時間帯なので熱中症対策も兼ねて水をかけることは大切。
体に熱がこもらないよう早め早めの対策を。
70km
残り30km。
私の経験上ここから90kmまでが精神的に一番苦しくなる。
足は重くなり歩いてもいいよという誘惑がやってくる。
今のところ気になる痛みはないが徐々に力が入らなくなってきた。
ここからは気持ちが大事。
次のエイドまでは歩かずに走り切る。
そうやって小さな目標を立てて達成したら自分を褒めてやる。
これをゴールまで繰り返していく。
74.1km
13:03
第4関門国府B&G海洋センターに到着。
扇風機から噴き出るミストが涼しくてしばらくあたる。
水を補給してカルピスを一気に飲んだ。
エイドを見ていくと完熟王のパインを発見。
このパインを見ると野辺山ウルトラマラソンで食べた記憶が蘇る。
今回もひとついただく。
疲れているとフルーツがうまいんです。
みずみずしい食べ物を体が欲している。
さらに横に移動すると飛騨とらふぐ唐揚げの文字が目に入った。
とらふぐ?
お皿がまたいい。
ふぐ刺しを連想させる。
ひとついただく。
鶏肉よりもあっさりでうまい。
こういう特別な食べ物は元気にしてくれる。
さぁがんばろう。
もう一つふぐの唐揚げを口に放り込みもぐもぐしながらエイドを出た。
第4関門(国府B&G海洋センター)~第5関門(公文書館)
13:06
エイドを出発。
過去2回高山ウルトラに出た時は両方とも暑かった。
レース中は暑さとの戦いでフラフラになった記憶が強い。
それに比べ今年はずっと曇りで涼しい。
天候には恵まれていた。
75km
ここから続く直線がある意味一番きつかった。
先まで見える一本道。
人はまばらになり集団で走る感じではない。
同じくらいのペースの人を探して目印にしておく。
コースはほぼフラット。
坂でもないのに歩いてしまうと心のダメージが大きいので走り続けたい。
80km
あぶなっ。
疲れているのでなんでもない段差でつまづきそうになる。
歩道を走るので注意が必要。
車も普通に走っていて住宅もちらほらあります。
橋を渡り少し進んで行くとまーみさんを発見。
ほとんど人がいない場所だったから少し話して元気をいただく。
その少し先再びじゅんさん、えっちゃん、しろこさんエイドが現れた。
まじですか、嬉しすぎる。
スイカとさくらんぼをいただく。
うまい!
幸せメーター急上昇⤴
こういう出会いでまたがんばれる。
本当にありがとう(写真撮ってなかった)
87km~90km
千光寺の坂に続く2度目の難所。
普段の生活ではあまり見ない黄色い矢印看板。
ここから再び激坂が始まる。
試練はまだまだ続きます。
高山の100kmは千光寺の坂がきついとよく言われますがそれが終わってここから90kmまでの坂も強敵。
ランナーの気持ちをへし折りにきます。
走りたい気持ちはあるのだが、、、、、、私の力ではほぼ歩き。
2割走って8割歩くを繰り返す。
この2割走るが自分の中では頑張っているつもり。
全歩きよりは、、、。
まだやれるという気持ちで走っていた。
91km
15:26
エイドに到着。
食べ物をちらっと見てブドウに手が伸びる。
最後の方はフルーツがうまい。
残り10kmを切った。
ウルトラマラソンで残り10kmを切ると気持ち的に少し楽になる。
あと少しという圏内に入ってくる感覚。
15:38
上の方を見ると只今の気温が表示されている。
17℃。
ちょうどいい感じ。
年によっては25℃以上あるので今年は救われていた。
給水所まで500m。
この表示を見ると毎回スイッチが入る。
絶対に歩かない。
エイドまでは走り切る。
93.3km
15:42
第5関門公文書館に到着。
扇風機から出る霧状のミストが気持ちいい。
しばらく目をつぶって浴びていた。
第5関門(公文書館)~ゴール
ここからゴールまでは残り6.7km。
スタートする前はサブ10を少しだけ意識した自分。
天候は最高だしあわよくば。
そんなことを思ったが40kmであっさり夢破れる。
そこからどういうモチベーションで走ろうか考えていたが、出会いを大切にしながら今の力を出し切る。
プランBに変更。
だから走っている時は今後の走力アップのためにもベストを尽くした。
95km
初めてウルトラマラソン100kmに挑戦した時(6年前)はこの時点で完走できるか分からないくらいタイムがギリギリだった。
体はボロボロ、足は激痛。
普通に歩けない状態。
このまま全歩きだとゴールに間に合わない。
だからかなり追い詰められていた。
制限時間内にゴールしたい。
初の100km、なんとしても完走したい。
実際にはほとんど走れていなかったが腕を振って気持ちで進んでいた。
懐かしい記憶が蘇る。
そして現在。
一ヵ月半前に初の100マイルを完走したばかり。
同じ95kmなのに見え方、感じ方が違っていた。
もちろんあと5kmでゴールという嬉しさはあるのだが100マイルだったらまだここから70kmくらいあるのかと考えたり。
当時はウルトラ100kmを走ることがとてつもなくすごいと思っていたのにそんなことを考えている自分が逆に怖くなった。
何が言いたいのかというと当たり前だと思っていたことが当たり前じゃないということ。
その時の経験によってこんなにも感じ方が違うとは。
人生何が起こるかほんと分からない。
6年前からだいぶ成長したなと感じていた。
残り3km
カウントダウンがはじまる。
この旅を振り返っていた。
一緒に練習した仲間は無事に完走できたのだろうか?
サブ10を目指していた友達は達成できたのだろうか?
それぞれのストーリーが気になる。
途中で出会ったラン友さんたちの顔が蘇る。
たくさんの人からパワーをもらってきた。
やっぱり応援の力はすごかった。
残り2km
前を見ても後ろを見ても人がポツポツ。
あれだけいた人はどこへいってしまったのだろう。
そんなことを思いながら走っていた。
残り1km
帰ってきた。
前半少し飛ばし過ぎたけど後半は上手く走れたと思う。
「おかえり」
「完走おめでとう」
「感動をありがとう」
筆で書かれた文字が目に入る。
心がじわーーーっと温かくなった。
会場からはマイクで喋る声が聞こえてくる。
この坂を上ればゴールだ。
そう思うと体が一瞬軽くなった。
たくさんの人が応援してくれるので最後は元気な姿で走りたい。
ペースが少しだけ速くなる。
カーブを曲がった時だった。
「みつさーーーん!」
名前を呼んでくれる声が聞こえた。
前を見ると高山に向けて一緒に練習してきたくみさんの姿が。
朝集合の時に会えなかったのでやっと会えた。
「みんな待ってまーす」と一言。
最後のカーブを曲がるとようこさんとほのかちゃんが声を掛けてくれた。
まじですかー。
仲間が待っててくれるってこんなに嬉しいんだ。
そりゃ笑顔になるよ。
最後は両手を広げて最高に幸せなゴールで幕を閉じた。
メダルをいただくとその先にはたなかくんの姿が。
一緒に練習してきた良き戦友。
やっぱり速かった。
ゴール後にこうやって会えるのは幸せなこと。
寒いのに待っててくれてありがとう。
なかくんも加わりみんなで記念撮影。
ウルトラマラソンは人と人を繋いでくれる。
改めてウルトラはいいなと思った。
まとめ
6年ぶりに走った飛騨高山ウルトラマラソン。
高山の景色、人の温かさ、飛騨の豪華エイド、古い町並み、千光寺の坂。
全部よかった。
高山でサブ10、少しだけ意識してみたけど厳しい挑戦だということも分かったし。
たくさんのラン友さんに会えた。
そしてこの大会に向けて一緒に練習してきた仲間のおかげで楽しい時間が過ごせた。
それだけで幸せだった。
みなさんありがとう。
タイムや完走、それぞれの楽しみ方があると思うけどウルトラは人と人を繋いでくれる。
ランニングに出会うことでこんなに楽しい世界が待っているとは思ってもいなかった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
おまけ
レース後は打ち上げへ、全員完走!
翌朝は宮川朝市を散歩
朝ごはんは飛騨牛うどん
高山ウルトラで出会ったみなさん
後日、高山打ち上げ
【絶対に焼きたくない人へ】日焼け止め・トップアスリート
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