Mt.FUJI100① 完走率67.24%/トレラン最高峰・人生初の100マイルに挑戦

大会記事

みなさんこんにちは。

ラン歴11年サブ3.5ランナー(3:17:58)のみつ(@hiroki.mitsunaga)が2024/4/26.27に開催されたMt.FUJI100に参加してきました。

2年前にMt.FUJI100(UTMF)のスタートラインに立ちたいと決意。

そこから私の人生が変わりました。

この大会に出場するには参加条件をクリアしなければなりません。

ITRAポイントを最大3レースで10ポイント以上獲得すること。

私は去年そのポイントを集めるために様々なレースに出場してきました。

そしてついに参加資格をGET。

この流れに乗ってMt.FUJI100に出場できればいいのですがそう簡単にはいきません。

仮にエントリーできたとしても定員オーバーになった場合は抽選になるので出場できない可能性があります。

今年の大会(2024年)にどうしても出たかった私はもうひとつの選択肢、寄付エントリーという形で参加することを決めました。

「Mt.FUJI100(UTMF)でマイラーになる」

この夢を叶えるために人生初の100マイルレースに挑戦してきました。

いつかはMt.FUJI100に出たい、いつかは100マイルレースに挑戦したいと思っている方にはきっとお役に立てる情報だと思います。

レース内容をすぐに読みたい方は

「13.スタート~第1関門(富士宮)」からご覧ください。

今回は44時間を超えるロングレースになるので①・②・③の3部に分けて執筆させていただきます。

長文になりますが最後までお付き合いいただけたらうれしいです。

【 Mt.FUJI100 2024】レース動画完全版・前半戦(Instagramリール)

【 Mt.FUJI100 2024】レース動画完全版・後半戦(Instagramリール)

この記事を執筆している筆者の簡単なプロフィールになります。

目標はMt.FUJI100でマイラーになること。

アシックス大好きランナーでもあります。

  • 34歳(はじめは10km走れない状態)からランニングを始め現在45歳
  • 初フルマラソン5:35:29(2015) 名古屋アドベンチャーマラソン
  • フルマラソン3:17:58(2024) 姫路城マラソン
  • ハーフマラソン1:29:29(2022)ぎふ清流ハーフマラソン
  • 10km39:27(2023) 刈谷市かきつばたマラソン
  • 100kmトレイルランニング完走19:42:17(2023)奥信濃100
  • 100kmウルトラマラソン完走12:50:47(2023)野辺山
  • 118kmウルトラマラソン完走14:32:45(2023)チャレンジ富士五湖
筆者 奥信濃100 2023

結果

完走証

Mt.FUJI100の結果になります。

記録:44:15:44(制限時間44時間30分)※渋滞により制限時間が1時間延長→45時間30分に変更あり

憧れの大会で念願のマイラーになることができました。

2年前は自分なんかが出場できるレースだと思っていなかった。

出られるのはほんの一握りのランナーだけだと、、、。

夢のまた夢の世界ということは分かっていたが自分もこの舞台に立ちたい。

Mt.FUJI100のスタートラインに立ちたい。

その想いは消えなかった。

「Mt.FUJI100(UTMF)でマイラーになる」

叶えたい夢があったから頑張ってこれた。

今日まで諦めずに挑戦してきて本当によかったです。

完走できる目安基準

ゴール地点

Mt.FUJI100を完走できる目安基準は出場者なら誰もが可能、チャンスありだと思います。

そもそもこの大会に出場している人は参加資格を満たしている人なのでトレランの経験値は問題ないはず。

今年は初めての深夜スタートになるためいかに万全の状態でスタートできるかが鍵になってきます。

私の場合はトレラン100kmまでの経験しかないのでそこから先は未知の領域。

100km走って疲れ果てた状態からまだ66kmもある。

今までの大会最長時間は20時間26分48秒。

今回の制限時間は44時間30分。

今までの倍以上だし全く想像できない世界。

ほぼ2日、徹夜で起きているだけでも大変なのに、、、。

経験したことない時間の長さに対応できるのか⁈そこが一番のポイントになると思います。

※なかなか数字で難易度を現すのは難しいですが経験を元に出してみました。

完走レベルは1が優しい、12が難しい。

大会名 距離  累積標高  制限時間 レベル 
Mt.FUJI100166km7039m 44時間30 12
奥信濃100100km4800m 21時間 10
ONTAKE100100km3600m 20時間  9
奥三河パワートレイル 70km4000m 14時間30  8
野辺山ウルトラマラソン100km2300m 14時間  8
富士五湖ウルトラマラソン118km  ? 15時間  7
白馬国際クラシック50km2300m 10時間  6
osj新城 32km2750m 10時間  4
比較表

Mt.FUJI100を完走するための対策

ゴール

今回実際に走ってみてMt.FUJI100を完走するための対策をお伝えします。

今後Mt.FUJI100に出たい人、100マイルレースを完走したい人にはきっとお役に立てる情報だと思います。

内容はこちらになります。

  1. 深夜スタートは前日の過ごし方がかなり重要
  2. スタート前は少しの時間でもホテルを確保する(暗くして目をつぶるだけで全然違う)
  3. スタート前日の移動、受付、準備は大変。出来ることは家で済ませておく
  4. スタート前は待機時間が長いので寒さ対策(ホッカイロ、サバイバルシートがあるといい)
  5. ピンチな時ほど人と会話する
  6. Mt.FUJI100を完走するという目標を日頃から口に出す
  7. 最後まであきらめない
  8. レース中今まで一緒に練習してきた仲間の顔を思い出す
  9. レース中人との出会いを大切にする
  10. 荷物はできるだけ軽くする
  11. 本番を想定してザックの重さを4kgにして走ってみる
  12. どんな状況でも楽しむ気持ちで
  13. レース中全く寝ないのは危険
  14. レース中の仮眠は3回(15分、20分、20分)
  15. 眠気との戦いは必ず訪れるので無理せず寝る
  16. 速くなくていいので最後まで動き続けられることが大切
  17. 山の下りはゆっくりでいい、ダメージを最小限に
  18. 常に食べ続けられることが大切
  19. 股擦れやザックの擦れが気になったら早めにワセリンを塗る
  20. デポバックはカップラーメン必須(割りばしも)
  21. デポバックを受け取ったあとは汗拭きシートで体をふいて服を着替える(帽子、靴下、下着も全て)
  22. デポバックを受け取ったあとに歯を磨く
  23. デポバックに大好きな食べ物を入れておく
  24. どんなことが起きても大丈夫と思い込む
  25. 関門時間に間に合わないと思ったらとりあえず次の関門をゴールだと思って全力を尽くす

Mt.FUJI100(100マイル)を走って大変だったこと。

  • 体の時差ボケがすごい
  • 会場に着いてからスタートまでが長い
  • 荷物預けのタイミング
  • トイレ(大)のタイミングが難しい
  • 走っていておならばかりでる
  • どれだけの仮眠時間をとるか悩む
  • 睡魔と戦いながら歩いている時
  • 足の裏、足首が悲鳴を上げるほど痛い
  • 渋滞に巻き込まれた時のメンタル

完走率

Mt.FUJI100(2024)の完走率はこちらになります。

完走率

FUJI100miの完走率は67.24%。

KAI70kの完走率は93.24%

感想としてはもう少し低いかなと思っていたけど案外高かった印象。

その理由は今年のスタートが深夜ということもありコンディションを合わせるのが難しかったから。

私は24日(水)に受付をしたので体調を合わせやすかったが25日(木)に受付をした人はスタートまでおそらくバタバタで余裕がなかったと思います。

その中でこの結果はやはりすごいと思った。

この大会に出場するだけでも猛者の集まりなのでこの結果が妥当といえば妥当なのかも。

あとは気象条件がよかったと思います。

雨の影響は一切なし、足場のコンディションは上り下りも走りやすかった。

暑さ、寒さも許容範囲内だったのでこの点では救われました。

装備品

100マイルレースの装備品は準備するだけでも大変です。

トレランのロングレースは6月、7月開催の大会しか出たことがないのでわりかし荷物は少なめでしたが4月の大会は持ち物が増えます。

フリース、長袖、長ズボン、耳までを隠す帽子など。

今回用意した装備品はこちらになります。

装備品

ザックはパーゴワークスのRUSH 11R。

100マイルレースに向けて開発されたもので実際に使ってみたらドンピシャの大きさでした。

これより小さいと荷物が全部入りきらないと思います。

全部詰めた状態(水無し)で重さを測ってみたら3.7kgありました。

いざ背負ってみると重い。

こんな重い荷物を背負って走ったことがないのですぐに疲れてしまいそうだった。

これはまずいと思いここから少しだけジェルを減らしウェアを軽いものにして3.1kgまで軽くしました。

私はぶっつけ本番になってしまいましたがザックの重さは水ありの状態で4kgくらいになると思います。

練習の際に一度ザックの重さを4kgにして走ってみると本番がイメージできるのでぜひお試しください。

装備品(コンパクトに)
急遽購入、パタゴニアのベースレイヤー
水なしで3.7㎏
水なしで3.1㎏に軽量化

必携品は必ず必要ですが補給食をどれだけ用意するか?

ここが一番難しいかもしれません。

足りなくなるのは避けたいけど持っていきすぎて重くなるのも避けたい。

今回用意した補給食はこちらになります(デポバッグ分も合わせて)

補給食(デポバッグ分込)
補給食を小分けした後(デポバッグ分込)

初めての100マイルレース、荷物が多すぎて大変です。

※実際は上の写真からオレンジシューズ2本、カロリーメイト1箱、柿の種2袋、わらび餅1本・羊羹2つ、ジェル3本、飴2/3・キャラメル2/3を減らしてレースに出場。

レース後に検証してみた結果、補給食が多すぎました。

各エイドではアンパン、クリームパン、バナナ、オレンジ、焼きそば、おにぎり、豚汁、ドーナツ、スープ、ポテチを食べたので思ったよりジェルに頼らずでした。

各年によって気象条件が違うのであくまでも参考程度ですがもう少し補給食を減らして荷物を軽くするべきでした。

デポバッグにカップラーメン又はカップうどんを入れておくのはおすすめです。

97.4km地点、富士北麓公園に帰って来た時はかなり疲れているのでアツアツの食べ物があると気分が変わりまた頑張ろうという気持ちになれます。

レースで使わず余った補給食はこちら↓

レースで使わなかった補給食 アミノバイタル青はエイドでいただいた
余った補給食は1065g

コース

FUJI 100miのコース

FUJI100miのスタートは富士山こどもの国。

KAI70kのスタートは富士山の銘水スタジアム。

ゴールは共に富士北麓公園、富士山の銘水スタジアムになります。

距離:約166.6km

累積標高:+7039/-7614m

第4関門 97.4kmの富士北麓公園体育館ではドロップバッグを受け取ることができます。

前半の難所は30km過ぎに現れる天子山地(天子ヶ岳、長者ヶ岳、熊森山)

このエリアは壁のような登りが続き歩き続けるだけでも大変、愛知県の新城を思い出します。

その他にも62kmの竜ヶ岳、82kmの足和田山が待っています。

後半は平尾山、明神山を越えると二十曲峠へ。

139kmに現れる杓子山は崖のような登り区間もあり。

157kmに待ち受ける霜山は急登で距離が長い。

最後、富士急ハイランドからゴールまでのトレイル区間がものすごく長く感じます。

受付(大会2日前)

EXPO入り口

Mt.FUJI100の受付は4/23(水)と4/24(木)の2日間。

混雑を緩和するため選手それぞれに受付時間が指定されています。

私は4/23(水) 13:00~15:00。

愛知県から車で受付会場の富士北麓公園へ向かいます。

駿河湾沼津SAで休憩して山梨県入り。

まずは腹ごしらえでほうとうのお店へ。

「名物ほうとう不動 東恋路店」

このお店はインスタの投稿でよく見ていたので一度は行ってみたくて。

外観は白くて丸いドーム、とにかく目立ちます。

中に入ると美術館のような雰囲気で外国の方も多く観光スポットのような感じでもある。

んーーー、あまり落ち着かない、、、私は田舎にあるような古民家の雰囲気が好きかな。

ほうとうはアツアツで美味しかった。

駿河湾沼津SA
名物ほうとう不動 東恋路店
店内
ほうとう

14:00

富士北麓公園に到着(チャレンジ富士五湖ウルトラマラソンと同じ会場)

外は寒い、そして雨。

駐車場から階段を上るとEXPO会場が現れます。

辺りは真っ白、本当は目の前に富士山があるのだけど全く見えない。

23日(水)だからなのか、人がほとんどいない。

あれっ、こんなに人がいないの⁈笑。

駐車場
富士北麓公園
真っ白
ステージ

受付の体育館へ。

去年は大渋滞でかなり待ったという話を聞いていたので覚悟して行ったらランナーらしき人がほとんどいない。

ボランティアさんの方が多かった。

まだ準備中ですか?といった雰囲気。

「こちらへどうぞ」

案内されると身分証明書とQRコードを提示する。

そしてゼッケン、参加賞のTシャツを渡され受付終了。

えっ、終わり⁈

うそでしょっ。

今まで参加してきた大会の中で一番スムーズな受付だったかもしれない。

そのまま体育館を後にする。

案内板
受付場
ゼッケン
参加賞のTシャツ

あれっ?

必携品のチェックはどこでやるのだろう、、、。

受付終わってるし意味が分からない。

体育館に戻り必携品チェックはどこでやるんですか?と聞くと今年はどうやらないみたい。

そうなの⁈

いるもの全部だして確認したのに。

まー渋滞が起こらないための対策なんだろう。

ありがたいけどなんか拍子抜けだった。

再びEXPOに戻りゴールゲート前で写真タイム。

その後お店を見ていたら六花さんを発見。

少しだけ会話させてもらった。

私「100マイルレースは今回が初めてなんです」

六花さん「そうなの、そしたら絶対に完走だね!」

まさかこんな所で会えると思ってなかったし話ができるなんて。

寒さと雨で下がっていたテンションが一気に上がった。

ゴールゲート前
フィニッシャーパネル
オブジェ
ノースフェイスカフェ
コーヒー販売あり
六花さんと
EXPO出口

参考までに。

実際に受付をしてEXPOを見てレースの準備(ゼッケン、チップを装着、荷物の確認、着替えなど)をしてるとけっこう時間が足りません。

4/24(木)に受付をした人はその深夜がスタート(0時~0時30分)になるのでかなり大変だと思いました。

※実際はほとんどの人が4/24(木)受付。

少しでも仮眠できればいいですがおそらくはあまり寝れないはず。

いかにいいコンディションでスタートを迎えられるかが大きく影響してきます。

体が休まらない状態でスタートした場合は3日間起き続けることになってしまうのでたまりません。

前日の過ごし方をしっかりプランニングすることがとても重要になってきます(深夜スタートの場合、可能であれば2日前に受付したいです)

宿泊

登り坂ホテル 本館

16:00

今回の宿は登り坂ホテル(富士北麓公園まで車で10分)

本館と西館がありますが本館の方がキレイなのでおすすめです。

スタート時に着る服、途中で着替える服、デポバッグに入れる物、ザックに入れる物、一通り確認して準備する。

部屋
荷物預け袋

こちらは参加賞のTシャツとタオル(上)

EXPOで購入したTシャツとネックウォーマー(中)

なおさんとみーさんにもらったパワーアイテム(下)

参加賞
EXPOで購入
パワーアイテム

車に荷物を取りに行ったら以前天子山地の試走でご一緒させてもらったやすはらさんとむらかみさんに遭遇。

まじですか?すごいタイミング。

少し話をして夕食一緒に行きましょうという流れに。

18:00

ホテルから徒歩1分(めちゃ近っ)

前夜祭のお店は牛角に決定!焼肉だー。

完走を祈願して1杯だけ生大で乾杯。

モリモリ食べてレースの話をしてとてもいい時間でした。

いきなりでしたがご一緒させていただきありがとうございました。

フロント前でバッタリ 左:むらかみさん 右:やすはらさん
乾杯
うまい!

5:00

おはようございます。

翌朝5:30から一人で周辺を散歩。

ちょうどいい気候で気持ちよかった。

散歩中 前日の雨は止んでいた

ホテルに戻り朝風呂入って朝食へ。

7:00

やすはらさんのラン友さんにバッタリ再会。繋がってきますね。

同じテーブルに座り会話が盛り上がる。トレランの話が止まらない。

みなさん100マイル完走しましょうとエールを送りあい各自部屋に戻った。

カーテンを開けると昨日の雨はすっかり止んで青空が。

富士山がおはようと歓迎してくれた。

朝食会場
朝ごはん
楽しい朝食(みんな100マイル挑戦)
カーテン開けたら青空と富士山

前日のEXPO会場

ゴールゲート前で

10:30

昨日に引き続きラン友さんに会えることを期待してEXPO会場入り。

昨日とは全く違う景色だった。

快晴で富士山が輝いていた。

たくさん人がいてトークショーも行われていてお祭り気分。

あー、最高。大会でこんな雰囲気は初めてかも。

外国の方もたくさんいて海外レースに来ているみたいだった。

知ってる人がいないか周りを見渡していると、いたいた。

たくさんのラン友さんに会えました。

有名人の長田さん、ずーみんさん、ようきさん、昨日は六花さんにも会えたし。

まだレース前なのにこんなに楽しすぎていいのだろうか。

みなさん楽しい時間をありがとうございました。

トークショー(ゆりさん、ようきさん、みゃこさん、おかださん)
富士山バックに
富士山
会場の雰囲気
六花さん、ようきさん、長田さん、ずーみんさん
ラン友さんと
みなさんと

12:00

EXPO会場を後にすると昼食タイムへ。

すき家で食べて再びホテルへ戻った。

すき家で昼食

仮眠(レース前の過ごし方)

仮眠

14:30

EXPOの盛り上がりで体は興奮状態だったが一度落ち着かなくては。

部屋のカーテンを閉めて心を静める。

ベッドに横になり仮眠モードに入る。ただ分かってはいたけど眠れない。

目をつぶるだけでもだいぶ違うということは知っていたのでとりあえず目を閉じた。

16:00

あまりにも寝れないのでカーテンを開けると見事な富士山が。

外はかなり暑そう、、、(実際暑かった)

ホテルを用意しておいて本当によかった。

部屋からの景色 16:00

深夜スタートは去年のONTAKE100で一度経験している。

この時は朝から車で移動して受付を済ませた後は18:30から車の中で仮眠。

21:30起床。

3時間の仮眠だったがほとんど眠れなかった。

周りは車で寝ている人ばかりだがエンジンがかかったり切れたり、ドアの開け閉めの音、会話の声など。

なかなか厳しい状況だった。

22:00発のバスに乗ってスタート会場へ移動して深夜0時にスタート。

すでにフラフラだし、徹夜明けの状態でスタートじゃん。これはまずいと思った。

深夜スタートの場合は前日の過ごし方がかなり重要になってくる。

この経験が今回のMt.FUJI100で活かせた。

時間は短くてもいいからホテルで一人、静かな空間で目をつぶってしっかり休む。

今回も車で仮眠だったらおそらく完走は難しかったと思う。

それくらい深夜スタートは難しいしコンディションをいかに合わせられるかが鍵になってくる。

実際熟睡することはなかったけど部屋を暗くして静かな部屋で休めたのは大きかった。

この日は外が暑かったのでクーラーを効かせて涼めたし。

深夜スタートの100マイルレース、前日の過ごし方はかなり重要になってきます。

18:30

ベッドから起き上がり朝ごはん(夕方だが)

体のリズムは朝モード。いつものおにぎりを食べる。

朝ごはん⁈夕ごはん⁈

スタート会場へ

スタートゲート

19:30

荷物をまとめホテルを出発。

車に乗り指定駐車場へ向かう(富士急ハイランドコニファーフォレスト)

ホテルから車で6分、アクセスは抜群です。

19:50

あらかじめ購入していたバスチケット(3500円)のQRコードを見せバスに乗車。

※参考までに。

ここでデポバックを預けることもできますが預けない方がいいです。

スタート会場の富士山こどもの国で預けることをおすすめします。

その理由はスタートまでの待機時間が長いのと会場が寒いため温かい服装で過ごしたいから。

ぎりぎりに預けるくらいでちょうどいいです。

あとはホッカイロ、サバイバルシート、寝袋などとにかく防寒対策をお忘れなく。

私はホッカイロとサバイバルシートに救われました。

駐車場(富士急ハイランドコニファーフォレスト)
バス乗り場
荷物預け
バス内

20:00

富士急ハイランドコニファーフォレストを出発。

スタート会場(富士山こどもの国)まではバスで1時間、けっこう遠いんです。

21:00

富士山こどもの国へ到着。

スタートゲートを見たらいよいよ始まるんだという気持ちになってきます。

歩いているとラン友のくわきさん、たえさん、昨日朝食で一緒だったいまほりさん達に会えて元気をいただく。

その後、六花さんを発見!

またしてもタイミングよすぎでしょっ。

一緒に写真を撮ってもらい「頑張って!」とひと声かけてもらった。

いやー嬉しい、テンションが上がる。

スタート会場到着
スタート会場へ
スタートゲート前で
スタートゲート
モニュメント
真ん中:くわきさん 右:たえさん
スタートゲート前で
六花さん、くわきさんと

21:30

特にやることもない。

第4ウェーブのスタートは0:30なのでまだ3時間もある。

室内で過ごせたらいいのだが外で待機。

芝生エリアに腰を下ろす。

くわきさんと会話して時間を潰せたからよかったがひとりだったらけっこう厳しかった。

会場は風がなかったので救われたがそれでも寒い。

ザックからフリース、レインウェア、長ズボンを取り出し完全装備に。ホッカイロはお腹と背中に一枚づつ。

動いていればまだいいがじっとしてるだけ。

寒い。若干震えてきた。

やばいなー。スタート前に体力が消耗してしまう。

万が一に備えサバイバルシートを2つ用意していたのが大正解だった。

人生初のサバイバルシートを使用。

袋を開けて広げてみるとけっこう大きい。

ぐるぐるぐる、体に巻き付けて帽子で顔を覆って目をつぶって横になる。

ほんの少し前は興奮状態だったが一気に不安になってきた。

※当日雨が降っていたらかなりしんどいと思います。雨宿りする所がないのでしっかり対策が必要です。

寒い中、外で待機 みんな寝てる

23:00(第4ウェーブスタートまであと1時間30分)

ほとんど寝れなかったが体を起こす。

会場に着いてからスタートまでが長いので本当に今から100マイルを走るのかという気持ちになってくる。

トイレに向かうとよく見る光景、めちゃ人が並んでいた。

まーしょうがない、並ぶか。

寒い寒いと思いながら並んでいたがもうすでにレースの格好で並んでいる人が多かった。

上半身はウェアを着ているが短パンにザック、いつでもスタートできる状態。

寒いだろうなーと思いながら見ていた。

自分はフリースを着て長ズボンを履いている。まだ脱がないでよかったと思った。

んーーー、なかなか進まない。

トイレの数が少ないのもあるが、みんな大なのか、寒さをしのぐために中にこもっているのか一向に進まない。

時計を見る。

11:20

スタートまではまだ1時間10分もあるから大丈夫、なんの疑いもなく並んでいたその時だった。

やばっ!一気に冷汗が。

あることを思い出した。

それはドロップバック預けのこと。

さっきまで横になっててまだ荷物がそのままだった。

荷物預けの最終は23:30。

えっ!

あと10分じゃん。

落ち着け落ち着け、大丈夫大丈夫。

自分に言い聞かせたが大丈夫じゃないじゃん、泣。

今まで並んでいたのは何だったのか。

半泣きでトイレの列から外れさっきまで寝ていた場所へ猛ダッシュ。

おそらく周りの人はこんな所でアップし始めた変な奴がいると思ったに違いない。

もう、パニック状態。

先ほどいた場所へ戻り自分の荷物を確認した。

周りを見るとほとんどの人がいつでもスタートできる状態だった。

あほすぎる。急いで荷物預けへ向かった。

23:27

残り3分前。

「お願いします」

ボランティアさんに荷物を渡す。

ふーーーーーーーーーー、助かった。

本当に焦った。あたふたしすぎて目が回った。

再びトイレに並ぼうと歩きだすと、預けたらいけないものまで袋に入れてしまったような気がした。

あー、このモヤモヤ感。スッキリしない。

あれは大丈夫、これは大丈夫、記憶をさかのぼっていたがよく分からない。

何をやってるんだか、、、。

もう知らん、考えてもしょうがないので開き直った。

必携品が袋に入っていないことを願いながら再びトイレの最後尾に並んだ。

荷物預け
荷物預け
富士山とランナー
トイレ並び中

開会式

開会式 鏑木さんと六花さん

23:30

開会式が始まった。

鏑木さんと六花さんがステージ上に上がると音楽が流れ始めた。

ドンドン、パチパチ、ドンドン、パチパチ。

音楽のドンドン、手拍子のパチパチ。

会場の雰囲気が一気に明るくなった。

23:59

第1ウェーブのスタートまで1分前。

いよいよMt.FUJI100がはじまる。

グレートレースでみたあの光景が目の前で始まろうとしている。

「3スリー、2トゥー、1ワン、ゴー」

拍手、歓声、タンバリン、ベルいろんな音が鳴り響く中ランナー達が一斉に動き出した。

その光景をトイレに並びながら見ていた。

第1ウェーブスタート前

0:10

トイレに並んでいると何人かのラン友さんに遭遇。

少ししゃべって頑張りましょうとエール交換する。

0:15

トイレを済ませスタート地点へ移動した。

いろいろあったけどなんとかスタートできそう。

こんな大舞台でスタートに間に合わない、そんなことは絶対に避けたかったのでとりあえずは一安心だった。

くわきさんと
ちーちゃんと
白馬国際トレイルでご一緒だった
さとうさん達と

スタート~第1関門(富士宮)25.3km

スタート1分前

0:29

第4ウェーブのスタートまで1分前。

少し離れた所にむらかみさんを発見!

近づくとその横にはみっこさん、ひとみさんの姿が。

「いよいよだね、頑張ってね!」

元気をいただく。

待ちに待ったMt.FUJI100のスタート。

このスタートラインに立つために2年間真剣に頑張って来た。

夢じゃないのか、一瞬そう思ったが今ちゃんとスタートラインに立っている。

それだけで涙が出そうだった。

「Mt.FUJI100(UTMF)でマイラーになる」という目標があったから無茶だと思う挑戦もたくさんしてきた。

4か月連続で100km超えのレースに出場【富士五湖ウルトラ118k(4月)、野辺山ウルトラ100k(5月)、奥信濃100(6月)、ONTAKE100(7月)】

2月は1か月に3本のフルマラソン(別府大分毎日マラソン、姫路城マラソン、大阪マラソン)

体が壊れるんじゃないか、、、そう思う時もあったがここを乗り越えたら成長できると思い込んだ。

柔軟やストレッチは念入りに行っていたが常にヒヤヒヤな状態だったのは間違いない。

当時はまだ100マイルを走り切れる力が備わっていないと自覚していたのでとにかく追い込むしかなかった。

全てはこの大会を完走してマイラーになるために。

上:みっこさん 右:ひとみさん 下:むらかみさん
スタート前 むらかみさんと

スタート10秒前。

人生初の100マイルが始まる。

ワクワク?緊張?興奮?嬉しい?不安?ドキドキ?

いろんな感情が湧いてきてよく分からない。

右手のこぶしを突き上げ、

「3スリー、2トゥー、1ワン、ゴー」

プーーーーーーーーー!!!

ついに始まった。

Mt.FUJI100がスタートした。

この景色、ずっと憧れていた景色が今目の前にある。

じわりじわりと込み上げてくるものがあった。

スタートしただけなのに。

感動、感動、感動。

道の両側には応援の人が拍手でランナーを見送ってくれる。

Mt.FUJI100のスタートはこんな気持ちになるんだ。

今まで味わったことのない気持ちだった。

スタート横の鏑木さん
第4ウェーブスタート
拍手でお見送りしてくれる
スタート直後

富士山こどもの国を出ると始めはロードが続きます。

前半の飛ばし過ぎには十分気を付けて、といっても100マイル・累積標高7000m超えのペースなんて経験無いからよく分からない。

とにかく先は長いので抑えて抑えて。

始めはウォーミングアップのつもりで、ペースはだいたいキロ7分くらい。

ロード区間
目の前には富士山
ロード区間

16km

トレイルに入りスタートから2時間が過ぎたあたりで渋滞が発生。

足がピタッと止まる。

焦ってもしょうがない。少しの間休憩だなと気持ちを落ち着かせた。

5~10歩歩いたら止まる。5~10歩歩いたら止まる。

ずっとこんな感じ。

ヘッドライトの灯りがずーーーーーっと先の方まで連なっていた。

まじかー、あんな所まで渋滞してる、、、コースは直線なのでよく見える。

ゾロゾロ、ゾロゾロ。

何かの儀式?式典?

先で何が起こってるのか分からないため心配になってくる。

高速道路の渋滞と同じ気持ちだ。

事故なの?工事なの?

通過まで何分かかるの?

何も分からないあの状況。

予定がなければまだいいが時間に追われていたらもう大変。

「事故渋滞、●●から3km、通過まで30分」

「工事渋滞、●●から1km、通過まで10分」みたいに案内表示、もしくはスタッフさんからの情報が欲しかった。

何も分からず時間だけが刻刻と過ぎていく。

16.7km 渋滞中
スタートから2時間経過

嫌な予感がした。

このままだと第一関門でアウトになるんじゃないの?

体も足もまだ元気なのに前に進めないもどかしさ。

第一関門(25.3km)の制限時間は5:00

現在18km、時刻は3:00

渋滞が始まってまだ2kmしか進んでない。

自分だけじゃないはず。周りにいるランナーはみんな同じ気持ちだったと思う。

そんな中、近くにいた4人で意気投合。

会話しながら歩いた。

「去年より渋滞がけっこうひどいです」

「そしてここは毎年渋滞するんです」

去年走られた人の情報は説得力があった。

「100マイル挑戦は今回が初めてなんです」

「●●出身で○○の大会でポイント取りました」、、、。

レース中とは思えない雰囲気だったが会話のおかげで気持ちがやわらいだ。

「焦ってもしょうがないのでのんびりいきましょう」

「関門は大丈夫だと思います、まだ先は長いですから」

ずっと一人で誰ともしゃべらなかったら不安、イライラはとんでもないことになっていたはず。

心の消耗が半端なかったと思う。

「人と話す」

何でもないことだがピンチな状況ほど救ってくれます。

ゾロゾロ
意気投合した4人

19km

3:30(スタートから3時間)

送電線の下をひたすら歩く。

渋滞の流れは一向に変わらない。

第1関門まで残り6.3km、締め切りは5:00。

あと1時間30分でたどり着けるのか。

歩くペースより遅い。

少し歩いたら少し止まる。

考えたくはないが本当に間に合わないんじゃないかと思えてきた。

ようやく掴んだ夢の舞台なのに。

第1関門、渋滞のためDNFでした。

最悪のシナリオが頭をよぎる。

正直平常心ではいられなかった。

送電線の下を歩く
時計ばかり気にする
鉄塔の下をくぐる

20km

あれっ、みんな走りだした。

このあたりで急に流れが変わった。

渋滞の原因は何だったんだろう。特に変わった様子もないし。

よく分からないがいきなり渋滞が緩和した。

せめて渋滞の原因が知りたかったがそれすらも分からず走り出す。

みなさん渋滞中は冷静に見えていたけどそりゃ焦るよね、ペースがあきらかに速い。

第1関門を通過しておかないとその先に進めないから無理もない。

自分も流れに乗ってペースを上げる。

うっすらと夜が明けてきた。視線を上げると目の前には富士山がそびえ立っていた。

夜が明ける

25.3km

4:37(スタートから4時間7分)

第1関門に到着した。

制限時間まで残り23分だった。

あーーーー、助かった。

間に合って本当によかった。

500ml×2本、水を満タンにしてパン・バナナを食べているともりさんに出会う。

「いやー危なかったですねー、ひやひやでした」

「やっぱりそうですよね、こんな所で関門アウトなんてありえないですよね」

みんな同じ気持ちだったはず。

とりあえず最初の山場は乗り越えた。でも貯金はほとんどない。

まだ先は長い、焦らず行こう。

バナナの皮を全部むいて食べながらエイドを出発した。

この先もいろんなことが起こります。

Mt.FUJI100②へ続く。

第1エイド
第1エイド
あんぱん
バナナ
トイレ
もりさんと
バナナ
歩きながら食べる

まとめ

2年前にMt.FUJI100(UTMF)のスタートラインに立ちたいと決意。

そこから私の人生が変わりました。

「Mt.FUJI100(UTMF)でマイラーになる」

この夢を叶えるために今日までたくさんの挑戦をしてきた。

体が壊れないだろうか?

どこまで練習を積み重ねたらいいのか?

自問自答しながらやってきた。

そして去年参加資格をGET。

気付けばMt.FUJI100のスタートラインに立っていた。

人生初の100マイル。

憧れの景色が目の前にある、それだけで涙が出そうだった。

Mt.FUJI100②へ続く。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

おまけ

今回のMt.FUJI100で使用したアイテムはこちらになります↓

※私が使っているレッドレンザーNEO10Rは生産停止に、その後継機種(NEO9R)になります↓

※予備ライト↓

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コメント

  1. 平山真吾 より:

     私は51才ですが今回KAI70kに初参加で完走出来『16h24min』、少し先の話しですが2年後マイルチャレンジしたいと思ってますので、参考になりました。
     引き続き楽しみにしています!
     来年の志賀高原100km完走で4ポイントなのでそれで参加資格をと考えています。
     今回レース中100マイルの方々と睡眠などの事で話しが出来参考にしていましたが、
    詳細書いてもらっているので 大変参考になります。

    • みつ みつ より:

      平山さん、コメントありがとうございます。
      KAIに出られていたのですね。その経験は大きいと思います。100マイルの後半コースがイメージできるので。
      2年後、マイルにチャレンジ応援しています!睡眠問題は人によっていろいろあるみたいです。
      寝ない方がいいと言う人もいますので。自分はレース中寝ながら歩いていたので仮眠は必須でした。
      睡魔はかなり天敵になること間違いなしです。あと今年、志賀高原100に初参加します。

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