【チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン2023】118kmの完走率は48.73%

大会記事

みなさんこんにちは。

ラン歴10年サブ3.5ランナー(3:23:27)のみつ(@hiroki.mitsunaga)が2023/4/16に開催された【チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン2023・118kmの部】に初挑戦してきました。

100kmを超えるレースは今回が人生初めて。

完走できるかどうかはおそらくギリギリの挑戦になるはず。

制限時間は15時間。

とにかく楽しむ気持ちを忘れずに走ってきました。

レース中は記録狙いのフルマラソンと違い何度も歩いたり立ち止まったりしているのでたくさんの写真を撮ってきました。

大会の雰囲気が伝わると思いますのでぜひ参考にしてみてください。

今回は118kmのレースなので長文になっております。

エッセイと思って読んでいただけたらうれしいです。

チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン2023の動画になります【Instagramリール】

この記事を執筆している筆者の簡単なプロフィールになります。アシックス大好きランナーでもあります。

  • 34歳(はじめは10km走れない状態)からランニングを始め現在44歳
  • フルマラソン3:23:27(2023) 大阪マラソン
  • ハーフマラソン1:29:29(2022)ぎふ清流ハーフマラソン
  • 10km39:27(2023) 刈谷市かきつばたマラソン
  • 100kmトレイルランニング完走20:26:48(2022)奥信濃100
  • 100kmウルトラマラソン完走13:28:26(2022)野辺山
筆者

結果

チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン118kmの結果になります。

記録:14:32:45(ネット) 14:33:06(グロス)

人生初の100km超えレース、なんとか完走することができました。

制限時間は100kmが14時間、118kmが15時間と厳しめの設定になっているので完走できるかできないかギリギリの挑戦になるだろうと思っていました。

完走できる目安基準

チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン118kmを完走できる目安基準はこちらになります。

  • 野辺山ウルトラマラソン100km完走者
  • 飛騨高山ウルトラマラソン100km完走者
  • 奥信濃100完走者
  • フルマラソンサブ3.5ランナー

※毎年の気候条件が違うのはお許しください。

あくまで今年の大会、私の判断基準になります。

富士五湖ウルトラのコースは基本的に走りやすいです。

4月開催ということもあり気温がそこまで暑くならないのもありがたい。

初めてウルトラに参加された方は多少のアップダウンでもきつく感じられたかもしれませんが他のウルトラの大会と比べると優しいほうになります。

富士五湖ウルトラの最後の坂は一番の難所ではありますが野辺山、飛騨高山の坂を経験していたらきっと優しく感じられるはずです。

※チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン2023の完走率になります。

前日移動

大会前日はTシャツの引き換えのため富士北麓公園へ向かった。

自宅(愛知県)から会場までは車で約3時間半。

ゼッケンや計測チップ等は事前に送られていました。

天気予報は一日、雨。

運転中はずっと土砂降り。

この日はラン友さんが参加している【渥美半島ネイチャーラン】の大会当日でもあります。

富士五湖ウルトラと同じくウルトラマラソンなのでこの雨の中みなさん走っているのかーと気が気じゃなかった。

心の中で頑張れーとエールを送っていた。

サービスエリアで休憩しながら向かい途中せっかくだから名物の吉田うどんを食べに行こうとちょっと寄り道。

ひょっとしたら吉田うどんは初めて食べたかもしれない。

麺は硬くコシが強いのが特徴らしい。

伊勢うどんの逆バージョンだ。

柔らかいより硬めのほうが好みだけど想像以上に弾力があった。

もう少し柔らかいほうが好みかもと思った。

雨は一向に止まぬまま会場の近くまで来たが気温は9.2℃。

寒かった。

富士北麓公園の体育館に到着した。

Tシャツ引換を無事に済ませ大会ボードの前で写真を撮った。

15:00。

今回同じ宿に泊まるメンバーと合流するため【富士山溶岩の湯 泉水】へ向かった。

お風呂でさっぱりした後は早めの夕食を食べにあまのさんへ(16:30)。

ほうとうは2人前くらいあるボリュームでエネルギー補給はバッチリ。

お腹もしっかり満たされ本日の宿であるゲストハウスへ向かった。

宿での決起会

17:45。

今回のお宿は【Hostel 1889】

メンバーが去年利用してよかったからという流れで今年も。

とてもお洒落な雰囲気で海外の匂いを感じた。

部屋に入ると大きめの布団ベッドが3つ。

あれ?3つなの?

確認してみると一つで2人まで対応らしい。

……。

そういうことね、みんな口を揃えてつぶやいた。

その後は缶ビールで乾杯してサクッと明日の作戦を語り合い、各自速攻準備開始。(18:40)

普段大会の時はビジネスホテルで一人が多いのだけど相部屋だからそれぞれがどこまで準備するのか違っててけっこうおもしろかった。

あと最先端のビジネスモデルなのだろうか?

到着してから帰るまで従業員の方に一回も会わなかった。

フロントは無人。

鍵は事前にメールで送られてくる番号入力でオートロック。

全てネット管理。すごいシステムだ。

これからの時代、人件費削減のためにもこういうシステムになっていくんだろうな。

ウルトラマラソン118kmのスタートが4:00なので遅くても20:00までには布団に入る作戦。

3つの布団ベッドをくっつけて男5人、並んで寝ました。

いやーー、寝れなかったぁーーー笑。

起床

朝じゃない。

深夜1:30起床。

ウルトラの場合はもうここからレースが始まっていると言っても過言ではない。

普段と全く生活時間が変わるため体調をいかにいい状態へ持っていくかが鍵になってくる。

寝ぼけたまま一階の共有スペースへ。

昨日用意したおにぎりと味噌汁を食べながら徐々に体を起こしていく。

部屋に戻りレーススタイルに着替えて集合写真をパシャリ。

さぁーいこう‼(メンバー5人とも118kmに参加)

出発

2:40。

宿を出発。

会場である富士北麓公園までは車で10分、近いのは本当に助かった。

3:00。

ボランティアさんが車の誘導をしてくれていた。

こんな深夜なのに…、感謝しかありません。

前日に降り続いた雨は止んでいた。

もっと朝は寒いと思っていたがそうでもなかった。

風はほとんどなく穏やかな朝だった。

まだ時間が早かったみたいで大会ボードの前は並んでいない。

今がチャンス!みんなで写真を撮った。

その後は体育館へ手荷物預けに向かう。

番号のタグを荷物に着けたらゼッケン番号と同じエリアに自分で置く感じ。

ボランティアさんはほぼいないのでセルフで行います。

3:20。(スタートまであと40分。)

会場にはお水やパン、バナナ、干し芋、オレンジなど軽く食べられるものが用意されています。

ライトに照らされた桜は満開でした。

3:45。(スタートまであと15分)

スタート地点に整列。

はじめはウィンドブレーカーを着ていたがそこまで寒くなかったのでその場で半袖になった。

3:55。(スタートまであと5分)

完走目指してがんばろう、全員で気持ちをひとつにした。

スタート

4:00スタート。

118kmのランナーは747名。

(ちなみに100kmは1755名、62kmは954名が参加。)

スタート直後は熱い気持ちでアドレナリンが溢れていた。

少し走ると信号待ちでみな足を止める。

一刻も早く走り出したいっていう心の声が聞こえた。

これもウルトラあるある。

スタートして1時間くらいはまだ暗いのでヘッドライトはあった方がいいと思います。

今回私は持っていったけど実際には使わなかった。

他のランナーさんが照らしてくれる光に甘えながら走っていたけど近くにライトを持っている人が誰もいなかったらとても暗くて走れない感じです。

重たくなるので持ちたくない気持ちはありますが怪我するよりは安全第一ですね。

スタート~17.5km (第1関門)

5:00。

富士五湖の中で最初に現れるのが山中湖。

ちょうどスタートして一時間になります。

辺りはうっすらと明るくなり整備されたウッドデッキの上を走って行きます。

静かな湖畔、あひるボート、桜の街路樹と雰囲気たっぷりです。

エイドには紙コップがないので自分で用意したカップで補給します。

フルマラソンでタイムを狙っている時はけっこう困りますがウルトラの場合は全く気になりません。

5:50。

第1関門に到着。

関門時間は6:10。

ここまでの貯金タイムが20分。

平均ペースはだいたいキロ6:20で走ってきた。

エイドではイチゴやぶどう、一口サイズのおにぎりが提供されます。

朝ご飯タイム。

目の前には頂上付近が雲に覆われた富士山がドーンとそびえたっていた。

17.5km(第1関門)~38.3km(第2関門)

6:00。

ここからは山中湖の湖畔沿いを走って行きます。

まだ雲が雲海になっていてきれいだった。

ランナーに覆いかぶさるように桜が咲いています。

しばらく走ると何かが前方で光っている。

なんだろう。

……。

目の前には富士山の頂上付近に積もった雪が朝日を浴びて光輝いていた。

ほとんどのランナーが衝撃を受けた場所だろう。

多くの人がカメラで写真を撮っていた。

ちょうどここが20km地点。

エイドから見える景色は最高すぎた。

おそらく過去にお世話になってきたエイドの中でもベスト3に入る光景じゃないだろうか。

スタートして20kmを過ぎたくらいから左足のふくらはぎに少しだけ違和感を感じていたので【カツサプ】を補給する。

カツサプはレース中の足攣り防止、そして足に溜まってくる乳酸を減らしてエネルギーに変えてくれる優れもの。

ロングレースでは特に力を発揮してくれます。

ジェルはトップスピードを補給。

最近お気に入りで愛用しています。

効果は身体を動かした時の乳酸発生や血糖値の低下を抑える効果があり集中力、持久力も高めてくれます。

早め早めの補給を心掛けた。

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25km。

前方の景色は開けており田んぼや畑エリアを走っていきます。

しばらくすると富士山がドーーン。

いきなり現れる富士山に毎回びっくりします。

エイドではイチゴやぶどうがいただけます。

フルーツは食べやすくていい。

途中でラン友さんに遭遇。

しゃべりながら一緒に走った。

さらに走って行くと看板を発見。

このエリアからは小田原、御殿場、甲府が近いみたい。

38.3km(第2関門)~56km(第3関門)

8:02。

第2関門に到着。

関門時間が8:45なのでここまでの貯金タイムは43分。

速くもなく遅くもなく自分の中ではいいリズムで走れていた。

ここからは第2の湖、河口湖を目指して走って行きます。

河口湖大橋を渡ると左手の景色が一気に開けます。

ここは本当に気持ちがよかった。

おっ、あれはっ!

橋の上に立っている黄色いひまわりを発見。

ラン友さんが応援してくれていた。

知っている顔を見ると落ち着くし元気がもらえる。

後ろを振り返るとそこには絶景の富士山が。

記念にいいカメラで写真を撮ってくれた。

会話もできたし笑顔になれたし、パワーいっぱいもらったよ。

ありがとう。

ここからまた頑張ろうとスイッチが入った。

少し走ると再び富士山が。

ここから見える富士山もなんかよかった。(富士山フォトスポットばかりです)

50km。

9:22。(スタートから5時間22分)

気になるエイドの食べ物や関門時間、ペース表を作成してきたので確認しようと思ったら…。

あれっ?

…。

ない。

ズボンのポケットに入れていたのにない。

ありとあらゆるポケットを探したが見つからなかった。

ガーーン。

最悪だ。

あれは超重要アイテムなのに、、。

気持ちが一気に下がってしまった。

その影響もありこの辺りから疲労を感じ始めていた。

ずっと頭の中であの時落としたのかな、いやもう一回ポケットを探してみよう、そんなことばかり考えていたからバッドループに入りそうだった。

しかしまだ運は残っていた。

前方に見覚えのある後ろ姿が。

まじか。

同じ部屋に宿泊しているラン友さんを発見。

奇跡が起きた。

あっ!そうだ。

昨日宿でペースや関門時間の話をしてた事を思い出した。

途中でどこかに落としてしまったみたいと言ったら関門時間、ペース表を写メさせてくれた。

いやー、まさかのタイミング。

感謝感謝、救われたよー。

本当にありがとう。

もやもやしていた頭の中がスッキリ解消。

さぁーいこう!

疲れが一気に吹っ飛んだ瞬間だった。

56km。

第3関門、足和田主張所。

10:10。

関門時間が10:55なので貯金タイムは45分。

第2関門の貯金が43分だったのでだいだい平均ペースで走れている感じ。

この感じよりも遅くなるようなら貯金タイムを切り崩す展開なんだとイメージが湧いた。

日差しも出てきて暑くなったのでオレンジ、レモンに手がのびる。

酸味を欲していたみたい。

2個ずつかぶりつく。

んーーー、酸っぱい、そしてうまいっ‼

56km(第3関門)~62.6km

56km(第3関門)に到着した時、お腹が減っているのが分かった。

あぶない、あぶない。

補給のタイミングが遅かった。

特にウルトラなどのロング走ではお腹が減ってからの補給では遅い。

早め早めに補給することを気を付けていたのだが、、。

エイドではあまりエネルギー源になる食べ物がなかったのでここで使うしかない。

ずっと気になっていたモルテン。

最近このモルテンを使用しているランナーさんが増えている。

初モルテンだ。

モルテン、一本1000円。

効いてくれないとほんと困るよっ。

初めて食べてみると想像と違った。

ドロッとした濃厚な水飴みたい⁉

なるほど、こういう感じね。

最後は水と一緒に流し込んだ。

モルテン、モルテンって心の中で繰り返しながら走りはじめた。

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ここからは山を登っていく。

トンネルもあるみたい。

坂だねー。

歩幅を小さくして止まらない、止まらない。

心の中で唱え続ける。

止まらない、止まらない、、、。

走っている時、ゾーンに入ると自分はずっと同じ言葉を繰り返し唱えている習性がある。

お坊さんのお経に近い感じかな。

リピートモード突入。

このモードが長ければ長いほど余計な事を考えないで気づいた時には距離がけっこう進んでいるっていうのが理想形。

たんたんと進んで行くと西湖の看板が見えた。

5つある湖の中で3つ目の西湖。

左太ももが若干足攣りの傾向があったので、時すでに遅しにならないように奴の出番だ。

【2RUN】

私はこいつに過去何回も救われてきた。

多くのランナー、サイクリストから支持されている2RUN。

中身はナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB1を配合。

2粒入りの携帯しやすい袋入り。

長丁場のロングレース、できる対策は早め早めに。

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気温がだいぶ上がってきたので足攣りには要注意。

お願いだから足が攣りませんように。

しばらく進むと

ん?

何?

ものすごく元気で明るい声が聞こえてきた。

どこかで聞いたことのある声。

おーーーー、さやぴさんだ!

いつかお会い出来たらいいなと思っていた人。

まさかこんな場所でお会いできるなんて。

パワーいただきました。

会いたい人に会えると一瞬疲れを忘れてまた体が軽くなるんです。

あれはなんなんですかね。

疲れてる体は同じはずなのに、脳の思考回路がきっと変わるんでしょうね。

そこからしばらくは軽快な足取りになった。

ウルトラはこういう奇跡の回復がレース中に訪れると強いのです。

62.6km~70km

62.6km、エイドに到着。

ここは名物の吉田うどんだ。

こういうエネルギー食を待っていました。

疲れた体に出汁が染みる。

あーうまい。

3杯しっかりいただきました。

ごちそうさまでした。

空は青空で快晴。

桜が咲いていて気持ちよかった。

この辺りから100kmの速い選手がちょうど折り返してきてすれ違うのです。

前から走ってくる選手を見るとすごいな、頑張ってるな、自分も頑張ろうってすれ違う度に思うのです。

フルマラソンの折り返しスライドとはまたちょっと違った感覚。

一人から感じられるパワーが半端ないんです。

いままで走ってきた距離のせいなのだろうか。

西湖の湖畔沿いを走って行きます。

歩道が狭いので基本は縦一列。

後ろから来る車には注意が必要です。

はみ出していると本当にひかれそうになる。

67.5km。

11:47。(スタートから7時間47分)

暑い。

何度あったんだろう。

写真を撮ったけどうまく写らなかった泣。

68.2km。

ここはエイドで一番楽しみにしていた精進湖畔駐車場。

エクレア、エクレア。

ここのエクレアを楽しみに走ってきた。

…。

なんか嫌な予感。

……。

もっとワイワイしてるんじゃないの。

全くざわついてる感じがない。

ボランティアの方に聞いてまで確認はしなかったが、おそらくない。

周りを見渡したけど至ってシンプルなエイド。

うそやん。

これを楽しみに走ってきたのに。

ダメージがでかすぎた。

コンビニやスーパーに行ってお金を払って食べるエクレアではないのだ。

これだけ長い距離を走ってきてこんだけ待ちわびてたどり着いた時にないショックは計り知れないものがある。

エクレア、エクレア、、、。

ダメージの連呼。

痛恨の一撃を食らう。

ドラクエだったら死んでいたかもしれない笑。

マイナスの連呼で一気に体が重たくなった。

いかん、いかん、マイナスに流されるな。

完走するんだ。

気持ちを切らしちゃいかん。

そう思い再び走り出した。

数分後。

何この景色⁈

やばっ。

目の前には信じられない光景が広がっていた。(今回の旅で一番景色が良かったと思う)

そして再びひまわりのラン友さんを発見。

一気にテンションが上がった⤴

しゃべって写真撮って。

元気でたよー。

ありがとう。

生き返った。

数分前はエクレアで死にかけそうになっていたのに。

まさかのホイミ、いやベホイミかも。

仲間が魔法で助けてくれた。

わたしのHPが少し回復した。

ウルトラは走力だけじゃないんです。

ほんとにそう思う。

こういう運や気持ちのコントロールが完走できるかできないかに大きな影響を与えるのです。

だからウルトラはおもしろいんです。

70km~74.8km(第4関門)

70km。

看板が見えた。

この看板、ただの看板なのだけどランナーにとってはとても重要なもの。

距離を知るためなのはもちろんだがこの看板を見るたびにいったん一区切り。

仕切り直しなのだ。

ここからまた新たなスタートなのである。

この繰り返しでゴールに近づいていくのである。

少し先にあるエイドに到着。

するとまた偶然の出会いが。

重なる時って続くんですよね。

エールを送りあうとまた元気になれる。

力がもらえるんです。

ありがとう。

※地下道、こんな所もコースの一部なのです。

74.8km(第4関門)~77.5km

74.8km。

第4関門に到着。

12:44。(スタートから8時間44分)

関門時間が13:15なので貯金タイムは30分。

前回の貯金タイムが45分だったので15分の切り崩し。

歩いていないのに貯金が減っていた。

かなりショックだったし現実を知った瞬間でもあった。

あれっ、この感じで行くとどこかの関門で引っかかる。

完走するためのプランをゴールから逆算した。

全てトレランだが過去に3回、関門に引っかかってDNFの経験がある。

初めて関門アウトになった時はまだ体力も脚も残っているのにエイドでゆっくりし過ぎたために通過できなかった。

もちろんゴールするまでの体力は残しておきたいけど、そもそも関門が通過できなかったらそこでレース終了になってしまうのだ。

おそらく経験がなかったらこのまま走り続けて行ってやばい、間に合わないかもってなって関門アウトになるパターンだ。

落ち着け、落ち着け。

冷静に考える。

残り43km。

フルマラソン約一本分。

最後に激坂が待っているから歩いてしまったらまずアウト。

ゆっくりでもいいから走り続けなければいけない。(遅くてもキロ7:00ペースは維持)

現在74.8km、体は相当疲れていた。

なかなか厳しい現実だけどこのタイミングでしっかり現状把握できたのは大きかった。

次の関門90.1kmまでは歩かない、そしてキロ7:00ペースは切らない。

覚悟を決めた。

ここからが本当のウルトラマラソンのはじまりである。

77.5km~82.5km

5つ目の湖、最後の湖である本栖湖へ入った。

ここからは118kmのランナーだけになり人の姿が一気に減る。

ぽつり、ぽつりのランナーで寂しくなる区間だけど相変わらず富士山は美しかった。

どの湖からも輝く富士山にがんばれーって応援してもらってきた。

給水所まで500m。

この看板を見る度に次のエイドまでは絶対に歩かない。

毎回自分に言い聞かせてきた。

絶対に、歩かない。

この500mの間に何回歩かないって唱えてきたか、、、。

でもこうでもしないと歩いてしまうのです。

もう完全に余裕はなくなっていた。

今やるべき事。

それは次の関門を突破すること。

ただそれだけ。

それだけに全集中した。

苦しい時間だった。

気づいたらずっとひとり、単独で走っていた。

もう自分がどういう状態なのかよく分からなくなっていた。

スタートしてから9時間、足と腕を交互にずっと動かし続けている。

そんな時、また奇跡は起こった。

後ろから誰かがしゃべりかけてくれる。

そんな訳ないだろと思って横を見たら自転車に乗った赤鬼姿のラン友さんが現れた。

大丈夫?暑くなったねー、

エイドは近いよ、あそこにテント見えてる、

みんなマジですごいよ、

ここは人もいないしほんときっついと思う、

絶対完走だー、きっと大丈夫、

まだジェルとか残ってる?

この下りもきっついよね、この後の上り返しもきっついんだよね、

歩けばいいよ、無理しちゃいかん、

……。

ありがとう。

たくさんしゃべった。

たくさん勇気をもらった。

体は疲れていたがまだ会話する力は残っていた。

彼とは今回約束をしていた。

それはポテトの被り物をしてゴールすること。

今年の名古屋ウィメンズで応援のために買った被り物アイテム。

たくさんのランナーさんを応援していっぱいパワーをもらったポテトヘッド。

前日にその被り物を渡していた。

会えるか会えないか分からないし、自分がゴールできるかできないかも分からないのに。

なんとしてもポテトを被ってゴールしたい。

自分の中で新たな強い気持ちが生まれてきた。

赤鬼さんが声かけて応援してくれた動画はこちら>>(Instagramより)

82.5km~90km

82.5km。

5つ目の湖、本栖湖を折り返した。

さー、あとはゴールまでがんばろうと行きたいところだが、、、。

力がでない。

お腹が減っていたのか体調が良くないのか。

エイドではバナナや干し芋などエネルギーになるものを補給すればよかったのだが暑かったのでオレンジばかり食べていた。

食欲があまり湧いてこない。

このまま走り続けてもいいことはないと思った。

こういう時は何かにすがりたい。

ここで使うしかない。

二本目のモルテン(カフェイン入り)だ。

神様どうか助けてください、復活させてください。

祈る気持ちで補給した。

一本目を補給したあとは力が湧いて調子が上向きになったので期待した。

しばらく走っているとモルテンが効いてきたのか力がでてきた。

走るペースはキロ6:30前後で走れていた。

まじかよ、モルテン。

すごいぞ、モルテン。

驚異の回復力。

これからの必須アイテムになりそうだ。

目の前には雪を被った富士山、そしてピンクの花びらが輝いていた。

90km地点に到着。

モルテンを補給してからは調子がよくなった。

再び力が湧いてきた。

モルテン、モルテン。

困ったときのモルテンだ。

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90.1km(第5関門)~98.7km(第6関門)

90.1km。

第5関門に到着。

14:40。

関門時間が15:10なので貯金タイムは30分。

第4関門でも貯金タイムが30分だったから大会の平均ペースでここまで来たことになる。

頭の中で計算する。

このペースより遅かったら貯金を崩す結果だったんだ。

ふーーーー。

なかなか厳しい。

残り28km。

諦めるのは簡単だがここまできたらなんとしても完走したい。

エイドの滞在を極力減らしてすぐに出発した。

もう出来ることはこれくらいしかない。

少しでも貯金タイムを作るために。

90km~100kmの10kmは若干だけど下り基調だったのかな⁈

この10kmをキロ6:15ペースで走ることができた。

集中していたのかな。

絶対にゴールするんだという強い気持ちが快走に繋がった。

98.7km(第6関門)~110.8km(第7関門)

98.7km。

第6関門に到着。

15:45。

関門時間が16:15なので貯金タイムは30分。

この区間も大会ペースで走ることができた。

次のエイドまで頑張る。

関門時間の確認。

そして再び次のエイドまで頑張る。

ずっとこの繰り返し。

気づけば100kmの看板が現れた。

100km、、、。

本来のウルトラならここでゴールなのだ。

100kmのウルトラマラソンは過去に3回完走したことがある。(飛騨高山、野辺山、丹後)

その時は毎回体も脚もボロボロで走り続けることができなくなっていた。

30歩走って30歩歩く。

もうこの繰り返し。

この状態が最大のがんばりだった。

その状態を思えばまだ走れている。

大丈夫、あの頃よりは成長している。

再び気持ちにスイッチが入った。

3つ目の湖、西湖に戻ってきた。

相変わらず天気は快晴。

空は澄み切った青空。

見慣れた景色になりつつあったがこんな光景を見ながら走れるなんて素晴らしすぎる。

改めてそう思った。

16:55。

エイドに到着。

日がだんだん傾き始めてきた。

今回富士五湖を共に走ってきたシューズ。

アシックスのエボライド3。

大阪マラソン2023でもこのシューズでPB更新することができた。

今回もこのシューズでいい思い出を作りたい。

そう思った。

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108.4km。

ゴールまで残り10km。

あと10kmかー。

いよいよな感じがしてきた。

人によって感じ方は違うと思うが今回の自分はあと10kmだった。

今回はそう思えた。

疲れ切っていたらまだ10kmもあるとなるのだが。

気持ちは前向きだった。

足もまだ動いていた。

痛い所と言えば左足の小指付近がずっと気になるくらいでその他の調子は悪くなかった。

補給もできている、水分もとれている。睡魔もない。

いままで経験してきた事と比べるとまだ余裕はあった。

110kmを過ぎて上り坂を進んで行くと目の前には信じられない光景が広がっていた。

まじか、夢じゃないよな⁈

雪を被った富士山がおかえりと言わんばかりに迎えてくれた。

…。

まだ走れている。

まだレースは続いている。

一歩一歩の積み重ねがあっての今がある。

胸の奥からこみ上げるものがあった。

110.8km(第7関門)~フィニッシュまであと2km

110.8km。

第7関門に到着。

「こちらは最終関門になります。」

ボランティアの方がお疲れさまでしたと出迎えてくれた。

17:19。

関門時間が17:45なので貯金タイムは26分。

大丈夫、前回より貯金を4分切り崩しただけだ。

ここまで歩かなかった。

大丈夫、いける。

残り7.6km。

残り時間は1時間40分。

間に合うのか?

ラストは富士五湖ウルトラ名物の激坂が待っている。

歩いてしまうのか、歩かないでいけるのか。

初めてなのでどれくらいきつい坂なのか全く想像できなかった。

気持ちをいったん整理するためエイドで味噌汁をいただいた。

あーーー、疲れた体に染みわたった。

よし、いこう!

気持ちは前向きだった。

絶対に完走する。

最後の区間、ゴールに向かって進みだした。

坂ではあったがまだ走れる。

ゆっくりではあるが歩くことはなかった。

他のランナーはほとんどの人が歩いていた。

止まるな、止まるな。

まだ行ける、まだ行ける。

ここでも心の中で繰り返し唱えていた。

残り5km。

ここからはさらに坂の傾斜がきつくなったように感じた。

見た目もそうだが体が感じる感覚は敏感だ。

あきらかに足が動かない。

よく頑張った、そう思ったのと同時に走るのをやめて歩きに変えた。

118kmのランナーと100kmのランナーが合流する。

完走したいのはみな同じ。

この長旅を共にしてきた仲間なのである。

歩いているだけで言葉はなくても気持ちがひしひしと伝わってくる。

この一体感はなんともいえない。

フィニッシュまであと4km。

看板が現れた。

再び大きな看板が現れる。

残り2.3km。

いよいよだ。

会場が近づいてきている。

フィニッシュまであと2km

フィニッシュまであと2km。

長かった旅もあと2kmで終わる。

朝4:00にスタートして現在18:18。

14時間18分が経過していた。

今まで辿ってきた道のりを振り返る。

長かったようだけどここまで来るとあっという間だった気もしてくるのだ。

ピンチは何回もあった。

もうダメかもしれないと思った時もあった。

でも走っている最中っていろんなドラマが起きるんです。

苦しかったり辛かったことの方が記憶に残りやすいけど今回はいい思い出の記憶がたくさんあった。

応援してもらったり一緒に写真撮ったり会話したり。

ずっと一人だったらどうなっていたのかな、完走できていたのかな。

分からないがここまで来れたのは間違いなくみなさんに助けてもらったおかげである。

感謝しかない。

本当にありがとう。

FINISHまであと1km

FINISHまであと1km。

ついに来た、あと1kmの看板。

帰ってきた。

1/118なんだけどやっぱりこの1kmは特別だ。

諦めなかった。

自分に勝った。

そう確信できた。

じわりじわりと嬉しさがこみ上げてくる。

涙腺がゆるむ。

そこへ、、、。

まじか、、、。

ポテトヘッドを手にしている赤鬼が見えた。

打ち合わせは何もしていない。

こんなことってあるのだろうか。

…。

ラスト1kmで合流できた。

ありがとう。

信じて待っていてくれて。

嬉しさが爆発した。

ゴールはポテトで。

約束していたポテトヘッドを被ってゴール会場である富士北麓公園に入った。

18:30。

応援してくれる人達が拍手で帰ってくるランナーを祝福してくれる。

外は日が落ちて薄暗くなっていた。

「みなさん制限時間内に帰ってきました!」

「おかえりなさーーーーーーーい‼」

司会進行の方がマイクでしゃべるおかえりなさいの言葉に涙が出た。

会場に戻ってきた人の名前を一人ずつ呼んでくれる。

自分の名前も会場に響き渡った。

ゴールゲートの先には、日本一の山、富士山が。

こんな絵になるゴールはなかなかないよ。

最後はキツさや疲れよりも楽しさが勝ったゴールとなった。

今まで出場したウルトラマラソンの中で一番清々しいゴールだったかもしれない。

これだけ長い時間走っていると調子いい時そうでない時、いろんなことが起こるけどこのゴールする瞬間の達成感は本当にたまらない。

フルマラソンでは決して味わうことができないウルトラマラソンのゴール。

もうこんなきついレース二度と走りたくないと思っても一週間後にはまた走りたいに変わっている。

こうやってみんなウルトラマラソンの虜になってしまうのです。

想像してみてください。

ウルトラマラソンを走り切ったあとのゴールの瞬間を。

赤鬼さんが撮ってくれたラストのゴールシーンはこちら>>(Instagramより)

【おまけ】

レース後は宿のメンバーで打ち上げへ。

体は疲れていてもそれぞれの話は尽きることがなかった。

レース翌日の朝食は宿の共有スペースで。

2階から1階へ降りるのだけどみんなまともに階段が降りられない。

これもウルトラマラソンの思い出です。

まとめ

チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン2023・118kmの部。

人生初の100km超えレース。

どうなるのか分からないワクワク感が半端なかった。

ウルトラは自分という人間の強い部分と弱い部分を改めて再確認できるもの。

レース中は本当にいろんな感情に襲われます。

フルマラソンよりずっと時間が長いため誰ともじゃべらないで走り続けるのはけっこうしんどい。

ラン友さん、ランナー同士、ボランティアの方、応援してくれる方などやはり少しでも会話することは大切だと思う。

そうすることで元気になったり体が軽くなることがあるのだ。

今回の大会は苦しい時に限って訪れる出会いに何度も救われてきた。

会話の力、応援の力、現地で触れ合う心強さ、約束から生まれる絆の力。

勇気とパワーをたくさんいただきました。

本当にありがとう。

おそらく最後までずっとひとりだったら完走できていなかったと思う。

諦めそうになる時もあったけど奇跡の復活を何回もしてきた。

それはやっぱり人の力が大きかった。

走力はもちろん必要だけどそれ以上にウルトラは運や出会い、諦めない気持ち、自分を信じる気持ちが大切なんだと思う。

ランナー同士が同じゴールを目指して共に旅へ出る。

ウルトラマラソンは人生観を変えてくれる壮大な冒険なのです。

次の挑戦は5/21開催の野辺山ウルトラマラソン100kmになります。

去年のタイム13:28:26超えを目指して走ってきます。

将来の目標はUTMF(FUJI)を完走すること。

そのためにもコツコツ練習を積み重ねて前進していきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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