ランナーの頭の中― その瞬間、何を考えているのか④

実体験談

ランナーの頭の中シリーズ、全五話完結になります。

第四話 40km、ランナーが急に元気になる理由

40km。

ここまで来ると、
身体はもう限界に近い。

脚は重い。

ふくらはぎは、
いつ攣ってもおかしくない。

38kmでは、
脚が終わるかもしれない恐怖と戦っていた。

少しペースを落として、
また上げて。

また緩めて、
また上げて。

そんな駆け引きを繰り返しながら
なんとか前へ進んできた。

そして、
気づく。

あと2km。

その瞬間、
不思議なことが起きる。

さっきまで重かった脚が、
ほんの少しだけ軽くなる。

腕振りが
自然に大きくなる。

呼吸も
少しだけ楽になる。

「さっきまで、あんなにきつかったのに。」

そう思いながら
また前へ進む。

周りのランナーを見ると、
同じようにスピードが上がっている人もいる。

まるで
ゴールに引き寄せられているように。

人間の身体は不思議だ。

もう限界のはずなのに、
ゴールが近づくと力が戻ってくる。

たぶんそれは
脚の力じゃない。

心の力だ。

もうすぐ終わる。

もう少しで終わる。

その思いが、
身体をもう一度動かしてくれる。

40km。

ここは
奇跡が起きる場所じゃない。

でもランナーは知っている。

人は、終わりが見えると強くなれる。

フルマラソンは42.195km。

ゴールはまだ少し先にある。

それでも、
ランナーの心はもう決まっている。

最後まで走り切る。

次回最終話、【ゴール100m前、ランナーが泣く理由】

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